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【お金は不要】アリババの「芝麻信用」(ジーマ信用)から見る未来

ジーマ信用のイメージ LIFE
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お金の本質は、価値の証明存在。
世の中が共通の「価値」を認識し、お金が取引に利用されます。
それが現金だろうと、電子マネーだろうと、デジタル通貨だろうと。

それはイコール「信用」に他なりません。

お金 = 価値 = 信用

の構図でしょうか。

この本質が理解できると、将来の見方が変わってきます。
お金というのは、モノやサービスと交換するツールにすぎす、それ自体に価値はありません。

別の「価値」があるもので代替することができれば、お金自体が不要になってくるでしょう。
すなわち、「価値」を生み出す「信用」がより重要になってくるということです。

では、この「信用」はどのような形で積み上げられ、可視化されるのでしょうか。

本記事では中国発「芝麻信用」(Zhima Credit)を例に、「信用」の貯め方を解説します。

アリババの「芝麻信用」(ジーマ信用)とは…

中国最大のIT企業「阿里巴巴」(アリババ、Alibaba)が運営する電子決済アプリ「支付宝」(アリペイ、Alipay)上で活用される機能の一つ

一言で表すと、

ユーザーの信用度を算出して、数値化するサービス

です。

2015年1月に誕生した「芝麻信用」は、AIと機械学習(ディープラーニング)、クラウトコンピューティングなど先端技術を活用して、信用状況の評価を行います。
日本語だとジーマ信用、セサミ・クレジットと呼ばれるかもしれません。

信用状況の査定対象は、

  • 個人の信用
  • 企業の信用

があって、本記事では「個人の信用」に焦点を絞って紹介していきます。

なぜなら、結局必要なのは、お金より「個人の信用」だからです。

では、「芝麻信用」に注目が集まるのはどうしてなのか。
理由は以下の3点です。

  • 実名登録
  • 信用度スコア
  • ビッグデータ&客観性

実名登録

当たり前ですが、あえて挙げます。

「芝麻信用」を利用するにはアリペイへの登録が必須で、中国人は氏名と身分証、外国人の場合はパスポート情報を、写真と共にアップ・提出します。
本人確認ですね。

アリペイによる審査が通過すると「信用」がスタートします。

信用度スコア

個人の価値を株式に置き換えて数値化した「VALU」に近い考え方。
「芝麻信用」の場合は、個人の行動よって価値・信用度が導き出されます。

実名登録は殆どのサービスで行われますが、身分証の番号(日本で言うマイナンバー)やパスポート情報によって行動が全て紐づけされています。
これらのデータに基づき、信用度スコアが生み出されるのです。

ジーマ信用のスコア

詳細は後述します。

ビッグデータ&客観性

個人消費、銀行残高、移動記録などの総合的なデータにより、信用度の客観的な判断が下されます。

ちょっと変な話ですが、「お金で信用・信用度スコアを買う」ということは不可能。
恣意的な操作ができないため、「芝麻信用」の信頼性は非常に高く、それ自体に既に価値が生まれているのです。

信用度スコアの仕組み

結論から言うと、信用度スコアの基盤は個人情報にあります。

プライバシーに敏感な日本人にとっては、少し驚きでしょうか。
でも中国人は個人情報を収集されることに対して余り気にしません。

というか、実名登録が習慣化され、いちいち気にしている場合ではなくなった、の方が正しいかもしれませんね。

ボクも中国にきて適応されているのか、個人情報へのアレルギーは無くなりました。

ただし蓄積された個人情報が多いほど正確性が増し、信用の効力が発揮するのは事実。
偽りのない情報こそが、個人の信用の担保にもなるのです。

信用度スコアにて重要視されるのは以下の通り。

  • 行動履歴
  • 経済力
  • 人間性
  • 人脈

一つ一つ掘り下げていきます。

行動履歴

キャッシュレス社会においてアリペイは不可欠なアプリ。
決済時のデータが丸々収集されます。
主に経済活動とそれに派生したものですね。

またローンの返済履歴、病気・怪我の有無、各種違反・犯罪履歴なども加味されます。
不都合な行動は信用度スコアを下げる要因になるでしょう。

なおメール、電話、チャット、SNSの内容は「芝麻信用」では対象外なのでご安心を。

経済力

個人資産や預金額、年収なども重要な判断基準。
金額が全てではありませんが、目安の一つです。

銀行が行うローン審査と同じですね。
単純に経済力が大きいと信用度スコアも高くなります。

ジーマ信用の評価項目
身分証明、資産照明、人間関係などを登録するとスコアが上がる

人間性

上記の記録から、その人の性格や行動パターン、趣向などが形成されていきます。
ある種データ化しづらい部分ではあるもの、信用に値するかどうかの参考にはなるでしょう。

ボランティア参加や社会貢献に積極的な人はスコアが高い、といった具合かも。
自分を磨いて「魅力ある人間」と判断される行為を心掛ける必要がありそうです。

人脈

家族、友人、同僚、同級生などなど……周りの人間関係も「個人の信用」に影響します。
信用度スコアが高い人と繋がりがある場合は、自分のスコアがプラスされます。

信用を貯めるには、まずは付き合う人を見直す。
良き人と繋がることも「個人の信用」には重要なんですね。

優遇・特典

信用度スコアが高いと人間的な評価が保持されるのですが、具体的にどんな得があるのでしょうか。
簡単な例を挙げてみます。

消費者金融

信用度スコアが高いほど、審査が通りやすく、借りられる金額も多くなります。
またクレジットカードの利用制限も緩和され、一回の利用金額や使用できる地域が拡大。
経済的な優遇が得られます。

デポジット免除

例えば、信用度スコアが600以上の場合、各種レンタルサービス(家電、衣類など)を利用する場合のデポジットが不要。
家を借りるときに敷金が免除されることもあります。

信用を担保に、色々なものを借りることができるのです。

ジーマ信用の特典

移動

シェア自動車、シェア自転車を無料体験できたり、優先的に配車サービスを受けられたり。
交通手段を利用する際の無駄な時間が短縮されます。

マイレージ的な役割も併せ持っている感じでしょうか。
移動時間を信用で買う、という概念が生まれつつあります。

ビジネス

スコアが高ければ仕事を探しやすくなるのは確か。
「企業の信用」によってビジネスがスムーズに進むこともあるでしょう。

逆に前職の評価が低かったりした場合は……再就職が難しいかなと。
学校での成績や活動が信用に直結して可視化されるのであれば、学生時代の生活を見直すきっかけになるかもです。

今後の発展

「芝麻信用」が社会に与えるインパクトは少なくありません。
むしろ経済活動の根本を覆す可能性が秘めているように思えます。

アリババが中国を、そして世界をどう変えるのか。
少し考えてみましょう。

社会の最適化

全ての行動が良きも悪きも「監視」されるので、秩序が保たれると思います。
横暴な運転や信号無視をする車は減り、不要な喧嘩や争いはなくなるでしょう。

自然と相手を重んじる行動をするようになり、社会レベルが上がります。
というか、そんな風になってほしいと願うばかりですね。

ステータスの確立

出生背景や学歴、経済力だけが、価値を決めるのではありません。
生き方、考え方、人間性がスコアにも反映され、その人の価値・信用が生み出されます。
「個人の信用」そのものがステータスとなるでしょう。

お金に変わる価値

もう一度、
お金は、モノやサービスと交換するツール
です。

新しいツールしての「個人の信用」の価値がどんどん上がっていきます。
お金を貯めることより、信頼を貯めていきましょう。

最後に…

「信用」には行動履歴、経済力、知名度、人間性など様々な要素が含まれます。
そして取引では「信用」の基づき、その人の能力、知識、サービスを享受しながら「価値」を得ます。

「個人の信用」によって一人ひとりが主役となって、市場を創造する世界になりそうです。

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