説明不要の外食チェーン「吉野家」。
日本の「牛丼」の代名詞となり、世界各国でもその名前は広がっています。
本記事では「吉野家」の中国での展開状況やメニュー紹介、実店舗の雰囲気などについてメモっていきます。
1. 中国の吉野家の展開状況&メニュー
通称「吉牛」は1899年創業と歴史が古く、日本で多大な支持を得ている外食店の一つ。
高度成長期には「早い、うまい、安い」のキャッチコピーで、牛丼を国民食へと定着させました。
今でも毎日必ず「吉野家」で食べるという人は少なくありません。
2020年10月時点での日本国内の店舗数は、
吉野家:約1,200店
松屋:約1,100店
と業界2位をキープ。
様々な困難を乗り越えつつ、その度に逞しく成長しているイメージがありますね。
日本国外はというと、1975年のアメリカ1号店が最初。
牛肉の本場に殴り込みといった感じでしょうか。
それはさておき、アメリカに続いて進出したのがお隣・中国です。
1-1. 中国の展開状況/店舗数
時系列的には、まず1988年に台湾でオープン。
その3年後の1991年に香港、中国大陸の北京にてそれぞれ初出店を成功させました。
以降、中国大陸では北京や遼寧、深圳を中心に大・中規模都市へ展開しています。
具体的な数値ですが、公式サイトの月次報告は、以下の通り。
遼寧:90店舗
深圳:47店舗
武漢:26店舗
青島:22店舗
上海:16店舗
遼寧は省の名前であり、大連や瀋陽での店舗数の合算ですね。
また台湾は76店、香港は52店で、中国全体だと650店に上ります。
これはアメリカ(106店舗)、インドネシア(126店舗)を抑え、堂々トップの数字。
中国でも最も馴染みのある日本フードとして定着しました。
1-2. 中国の吉野家の主なメニュー
さて、皆さんが気になるのはメニュー構成や価格ではないでしょうか。
以下に中国でのメニューをカテゴリー別に紹介します。
①単品
メニュー | 商品名 | 価格 |
招牌牛肉饭 | 牛丼 | 30.5元(476円) |
照烧鸡排饭 | 照り焼きチキン丼 | 24元(374円) |
大鸡大粒饭 | ビッグチキン丼 | 25元(390円) |
辣白菜猪肉饭 | 豚キムチ丼 | 25元(390円) |
蔬菜牛肉饭 | 野菜丼 | 27元(421円) |
②セットメニュー
メニュー | 商品名 | 価格 |
大牛小菜蒸蛋套餐 | 牛丼+茶碗蒸しセット | 37元(577円) |
大鸡小菜蒸蛋套餐 | ビッグチキン丼+茶碗蒸しセット | 31.5元(491円) |
招牌牛肉小菜套餐 | 牛丼セット | 36元(562円) |
照烧鸡排饭小菜套餐 | 照り焼きチキン丼セット | 26元(406円) |
香汁鲐鱼小菜套餐 | サバ丼セット | 30元(468円) |
蔬菜牛肉饭小菜套餐 | 野菜丼セット | 33元(515円) |
单人寿喜火锅单品 | すき焼き鍋(単品) | 54元(842円) |
单人寿喜火锅套餐 | すき焼き鍋(セット) | 62元(967円) |
③サイドメニュー
メニュー | 商品名 | 価格 |
牛皿 | 牛皿 | 29.5元(460円) |
鸡皿 | 鶏皿 | 21元(328円) |
合茶碗蒸 | 茶碗蒸し | 8元(125円) |
韩式泡菜 | 韓国キムチ | 2元(31円) |
紫菜汤 | ワカメスープ | 7.5元(117円) |
榴莲大福 | ドリアン大福 | 8元(125円) |
現地の味覚や文化に合ったカルチャライズが上手くなされていて、特徴的な商品も見られますね。
2. 吉野家の店内の様子
実際の店舗の雰囲気もお伝えします。
今回は大連の「吉野家」。
お馴染みのロゴではなく、外観からは上品さが漂っていました(冒頭の写真)。
撮影したのは、週末のお昼時です。
外からでは分かりずらいかもですが、中は多くの家族連れて大賑わい。
日本でのサラリーマン&若者が黙々と食べる光景とは全然違います。
2-1. オーダー方法と様々な物販
注文はレジとタッチパネル式の自動販売機で。
右側には丁寧にオーダー手順が説明されていますね。
この方式はマクドナルドやケンタッキー、ほっともっとなどでも導入されていて、かなり便利。
支払はスマホにQRコードをかざすだけのキャッシュレス決済です。
現金を使用する日本の自販機とは仕様が異なりますね。
人の多さに長時間待ちも覚悟しましたが、そこ何といっても「吉野家」の見せ所でしょう。
商品の受け取りカウンター
5分足らずで料理が出てきました。
と言っても、店内は満席だったためテイクアウトでしたが……。
↓は「吉野家」ブランドなのでしょうか。
牛肉から餃子、麻婆豆腐、小籠包、卵にサーモンで。
はたまたアイスクリームのケーキまで。
自宅で楽しめる用のオリジナル商品が物販されていました。
2-2. 実食
すみません、食レポ力がないため、さらりとした感想のみです。
購入したのは「牛丼(大)」。
定番中の定番ですね。
家に到着して早速容器を空けてみました。
見た目は日本の「吉野家」と全く同じ。
そして、もちろん味も。
お米もしっかり炊けており、タレの沁み加減が絶妙でした。
トッピングの紅ショウガや七味唐辛子をもらい忘れたのが悔やまれます。
無我夢中で、3分足らずで完食。
満足感を得られたのは言うまでもありません。
これで30.5元(476円)ですから、時代や地域が変われど、「早い、うまい、安い」が中国でも継承されていると感じることができました。
不思議な体験ではあるのですが、猛烈に「牛丼」が食べたい、と思っている時には付近に無く、何気なくブラブラしている時に出くわすのが、中国の「吉野家」のような気がします。
そして、あの看板が目にしたとたん、ふと空腹感を覚え、足を踏み入れてしまうのです。
なぜだか理由は分かりません。
店舗数の割には意外とレアだったりするので、中国の街中で見かけた際には「牛丼(小)」で小腹を満たしてみてはどうでしょうか。