2006年までミャンマーの首都であった「Yangon」(ヤンゴン)。
「Naypyidaw」(ネピドー/ネーピードー)に行政機能が移転してもなお、国内最大の都市として発展し続けています。
日本の各都市からは直行便で繋がっており、近隣諸国との玄関口になっているヤンゴンですが、経済の中心的役割のみに止まっていません。
街中を見渡せば仏教国家ならではの建物がいくつもあって、信仰深き光景を目にすることができるでしょう。
このページでは古き良きヤンゴンを訪れた際に、見るべきスポットをメモっていきます。
・ヤンゴンの観光スポットの場所が分かる
・確実に抑えておくべき6か所のみ紹介
・関連プチ情報も手に入る
ヤンゴンの観光スポット①:シュエダゴン・パゴダ
ヤンゴン市内の中心部に大きくそびえ立つ「Shwedagon Pagoda」(シュエダゴン・パゴダ)。
ガイドブックや観光サイトでは最も人気があるスポットとして紹介される、黄金の仏塔(=パゴダ)です。
「シュエダゴン・パゴダ」は「People’s Park」(人民公園)に隣接していて、周りに大きな建物はありません。
そのため、高さ約100mある本堂のインパクトは圧倒的で、遠くからでも光り輝く姿を確認することができます。
境内に繋がる入口は東西南北に4ヵ所。
エントランスでは簡単な荷物チェックを行い、外国人・観光客は入場料(1人10,000チャット)を支払います。
靴を脱いで裸足になったら、エレベーターや階段で上部に上がりましょう。
広い敷地の中へと足を進めると、煌びやかな「シュエダゴン・パゴダ」が目の前に現れてきました。
本堂はストゥーパ(卒塔婆)とも呼ばれ、中に釈迦仏の遺骨などが収められています。
よって、仏教徒にとって聖地とも言える場所。
終日参拝客が絶えません。
本堂の周りには60近い仏塔や廟があります。
ゆっくり散策しながら見て回りましょう。
オススメの時間帯は夕方から日が落ちる頃。
境内がライトアップされて、非常に美しい。
心が洗われる気分になりました。
「シュエダゴン・パゴダ」は24時間オープンしていて、基本いつでも訪問可能。
しかし、祝日など閉まっている場合があるので、事前に確認しておいた方が無難です(ホテルのフロントなどに聞いてみましょう)。
オススメ度:★★★★★
ヤンゴンの観光スポット②:スーレ―・パゴダ
打って変わって、交通量が激しいダウンタウンのど真ん中にあるのが「Sule Pagoda」(スーレ―・パゴダ)。
2007年に起こった大規模な反政府デモの拠点にもなった所です。
立地場所は何と十字路にあるサークル。
「スーレ―・パゴダ」を中心に車やバイクが走っていました。
近くには市庁や裁判所、「Former Ministers‘ Office」(旧大臣事務所)などがあって、政治との関わりが深そうな感じです。
こちらも拝観料5,000チャットを支払い、裸足になって中に入ります。
内部には床に座って念を唱える僧侶や、手を合わせて拝む教徒がいますので、お静かに。
観光気分から一転、神聖な場所であることを認識させられます。
カメラを回すにも配慮が必要でしょう。
全体的にこじんまりしていますが、パゴダの存在感は流石の一言。
日中は金色の仏塔がとても眩しかったことが、今でも忘れません。
窓口ではご丁寧にもウェットティッシュが配られました。
観覧後は足をキレイにして後にしましょう。
じっくり歩いても30分あれば十分に堪能できるかと思います。
日差しをもろに浴びるので、飲料水は持参した方が良いかもしれませんね。
「スーレ―・パゴダ」はヤンゴン国際空港と中心地を結ぶエアポートバスの終着点にもなっていて、周辺にホテルやショッピングモールがたくさんあります。
この辺りをベースに観光するのが便利かと思います。
オススメ度:★★★★★
ヤンゴンの観光スポット③:ボージョーアウンサン・マーケット
ヤンゴン情報を調べたことがある方なら、一度は耳にしたことがあるだろう巨大な市場。
「Bogyoke Aung San Market」(ボージョーアウンサン・マーケット)は、中央ヤンゴン駅や「スーレ―・パゴダ」から徒歩圏内にある有名なバザーで、市民に不可欠な場所です。
ミャンマー独立の父・アウンサン将軍の名が付けられたマーケットは2階建てとなっていて、縦横100m四方の空間に数百もの小さな商店が軒を連ねる光景は、まさに東南アジアならではといった感じ。
ボクは平日にブラついてみましたが、どこも活気で溢れかえっていました。
1階の入口を抜けると、まず目に飛び込んでくるのが装飾品の数々。
中央の通路付近には貴金属、ジュエリー、玉器系などを取り扱う店が並んでいます。
中華系の顧客が多いのか、中国語の表記も目立っていました。
一方、土産屋など観光客向けの店はサイド寄りのブロックにあります。
各店には地元Tシャツやキーホルダー、パゴダ巡りに必須の民族衣装・ロンジーまで、旅の記念品が目白押し。
空港で購入するよりも遥かに安く、ヤンゴン滞在中にお世話になるスポットと言えます。
なお「ボージョーアウンサン・マーケット」のレイアウトは、地図上では一見整理されたように見えますが、実際はかなり混沌とした作り。
お気に入りの商品やアイテムを見つけても、ブラついているうちに何処にあるか見失うことがあるかもです。
ブロックの名前を控えておくことをお忘れなく。
2階はアンティーク、衣料品、手工芸が中心で、アトリエでは実際の作業現場も見学できます。
各種アイテムは(恐らく)適正価格が提示されていますが、もちろん値段交渉は可能。
気に入った商品があれば、店主と相談してみましょう。
もし歩き疲れたら、メイン通り側にある小さなコーヒーショップがオススメ。
ミャンマー産の豆を味わいながら、身体を休めるのに最適ですよ。
「ボージョーアウンサン・マーケット」の営業時間は9:30からで、太陽が傾く17:00頃に閉まります。
毎週月曜日及び祝日は定休日となっているので、ご留意を。
オススメ度:★★★★★
プチ情報①
「ボージョーアウンサン・マーケット」の向かい側には、ヤンゴンで最大級のショッピングモール「Junction City」(ジャンクション・シティ)があります。
ここには高級ブランドや有名店が入っていて、「アジア最後のフロンティア」のイメージとは全く異なる雰囲気。
まさに近代化の象徴といった感じで、良い意味での「ボージョーアウンサン・マーケット」とのギャップが面白い。
道路を挟んで、ミャンマーの新旧が入れ替わる違いが分かるでしょう。
ヤンゴンの観光スポット④:チャウタッジー・パゴダ
知る人ぞ知る「Chauk Hta Gyee Pagoda」(チャウタッジー・パゴダ)では、ミャンマー最大級の寝釈迦像を拝めることができます。
名前の発音が難しく、場所も少し分かりにくい。
タクシーを利用する場合は、スマホのGoogle Mapをドライバーに見せて向かいましょう。
なお、ボクは経験値を上げるため、公共バスで移動しました。
ミャンマー語のアナウンスはチンプンカンプンなので、やさしい乗客に助けてもらったのは言うまでもありません。
「チャウタッジー・パゴダ」は無料で拝観できます。
南側の階段を上り、中に進みましょう。
参道を抜けた左手にある本堂へ足を踏み入れる、そこには大きな仏像が寝そべっています。
全長66mの寝釈迦像ですね。
目力がある濃い顔立ち。
でも角度を変えれば、何か哀愁が漂う表情にも見えてきます。
本来なら背景や歴史を学ぶべきところですが、圧巻されて詳細は余り覚えていません。
ただし、日本のツアー客が訪れていたことからも、一見の価値があるスポットだと思います。
オススメ度:★★★★☆
プチ情報②
「チャウタッジー・パゴダ」から少し歩いた所に「Ngar Htat Kyi Pagoda」(ンガータッジー・パゴダ)があります。
上記の3つに比べると、やや地味かもしれませんね。
知名度は低く、観光客はそう多くありません。
夕刻になると、少年たちがサッカーを楽しみ、大人たちはチンロンを興じます。
(チンロンは竹製の球体を、足だけを使って落とさずに繋げていく遊戯)
足さばきは結構さまになっていて、みんな上手い。
毬を落とさずに、連続で繋げていきます。
ついつい、動画に収めたくなる光景でした。
ヤンゴンの観光スポット⑤:ボージョーアウンサン・スタジアム
国際的な競技が行われることもあるスポーツ施設「Bogyoke Aung San Stadium」(ボージョーアウンサン・スタジアム)。
名誉あるネーミングでさぞかし立派なのだろう、と期待を胸に訪れましたが、いやはや失礼ながら全然目立ちません。
周囲はちょっとした塀で囲まれている程度で、入り口も地味。
本当にミャンマーで一番大きいスタジアムなのか、疑ってしまうほどでした。
少し付近をうろついていると、ユニフォームを着た何人かの選手が敷地内に入っていきます。
その一人に声を掛けると、今まさに試合が行われているとのこと。
この日は誰でも自由に出入りできるとのことで、選手の案内の下、ボクもスタンドへと向かいました。
階段を駆け上ると、目の前に大きなピッチが広がっていて、中々の迫力があります。
スタンドには数十名の家族やサポーターが詰めかけています。
といっても、収容人数40,000人の空間には、少し寂しさも感じましたが……。
試合の展開が移り変わるごとに、周囲には声援が上がり、そこは活気に満ちていました。
ミャンマーの国民的スポーツとなっているサッカーの聖地。
熱狂的なサッカーファンの方は、ぜひ足を運びたいスポットです。
オススメ度:★★★☆☆
プチ情報③
「シュエダゴン・パゴダ」の近くには綺麗な芝生で覆われた練習場があります。
ピッチは平地から少し凹んだところに設けられていて、周囲の歩行エリアからは見下ろす形で眺めることができました。
フェンス越しの選手たちのスキルは高く、動きには切れが見られます。
すぐ近くに立派なバスが停められていたことからも、プロチームだったかもしれません。
炎天下の中、懸命にボールを追いかける姿に、ただただ感服。
ミャンマーサッカーに明るい未来になるよう、心から願いました。
ヤンゴンの観光スポット⑥:インヤー湖
ヤンゴン最大の湖であり、市民の憩いの場ともなっている「Inya Lake」(インヤー湖)。
開発が著しい都会の雰囲気とは一変、豊な自然に触れ合うことができます。
地理的にはヤンゴン国際空港とダウンタウンの中間あたり。
エアポートバスは「インヤー湖」を挟んだ東西の各ルートで運行しています。
ミャンマーの地に降り立って、街の中心部へと移動する際に一度は目にすることでしょう。
市全体の貯水機能も果たす「インヤー湖」の面積は約3.9平方キロメートルで、散歩にはちょうど良いサイズ。
美味しい空気を吸いながら、2時間ほどでグルっと回れます。
帰路時、早朝に空港へ向かう道すがら、多くの人々がジョギングやウォーキングをしているのを見かけました。
まさにレクレーションにはもってこいの場所ですね。
また周辺にはホテルやレストラン、ショッピングモールが多数あり、生活にもピッタリなエリア。
余裕をもった旅行スケジュールであれば、「インヤー湖」にて数日のんびりと過ごすのも良いでしょう。
せわしない日常から脱却・逃避したい。
そんな気持ちに応えてくれるのが「インヤー湖」です。
オススメ度:★★★☆☆
プチ情報④
ヤンゴンにはもう一つ有名な湖、「Kan Daw Gyi Lake」(カンドージ湖)があります。
「シュエダゴン・パゴダ」の近くで、徒歩15分くらいで辿り着けるでしょう。
「カンドージ湖」には「Karaweik Palace」(カラウェイ・パレス)という船上レストランがあり、ここでは毎晩、伝統舞踊ディナーショーが行われています。
ボクは日程上、体験することができなかったのですが、伝統料理を食べながら華麗なパフォーマンスを見れるとあって、人気のアクティビティになっているよう。
次に訪緬するときは優先的に抑えたいと思っています。
旅の目的地がバガンであれ、マンダレーであれ、必ずヤンゴンを経由することになるかと思います。
が、ただの通過点にするには、あまりに勿体ない。
最低でも丸々1日、可能なら4~5日)、ヤンゴンに滞在する価値は十分にあります。
必ずや想像以上の非日常体験と、未知の魅力を感じることができるでしょう。
ヤンゴンの熱気・パワー・エネルギーを自分の肌で味わってくださいませ。