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新型肺炎を早期発見・指摘した医師の言葉

CHINA NEWS
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2月7日未明、眼科医の李文亮氏(33)が入院していた湖北省武漢市の病院で亡くなりました。
死因は新型肺炎です。

李氏は昨年12月末に新型コロナウィルスの疑いをいち早く発見し、他の7人の医師と共に、「原因不明の肺炎患者を確認した」ことをSNSなどで発信、警告を鳴らしていました。
ところが1月、武漢市当局は「うわさ・デマの流布」「社会の秩序を著しく乱す行為」に当たると判断。
彼らは処罰対象となり、中国中央テレビ(CCTV)でも報道されました。
タイトルには「8人のデマ流布者を摘発」と書かれています(1月2日の放送)。

CCTVの報道
出典:狗哥普拉斯

さらに、公安局は李氏らに対して「訓戒書」へのサインを求めます。

医師への訓戒書

書面には、

インターネット上でデマを流した違法行為に対して、ここに警告と訓告を示す。貴方の行為は社会秩序を著しく乱している。法で許される範囲を逸脱しており、「中華人民共和国治安管理処罰法」の規定に違反行為にあたる。
公安当局は、貴方が我々に協力して、耳を傾け、即時に違法行為を中止することを望む。同意しますか?
自筆:はい
我々は貴方が落ち着きを取り戻すことを期待しつつ、ここに処罰を与える。もし頑なに違法行為を続ければ、貴方は法に基づき処罰されます。わかりましたか?
自筆:はい、わかりました。

とあり、口止めに近い内容に署名をさせられました。
当局が事態を隠蔽しようとしている印象が伺えます。

もし政府が李氏の指摘を真摯に受け止め、早急な手を打っていたら、ここまで被害が広がらなかったはず。
「たら・れば」は無意味ですが、非常に悔やまれます。

下記はコピーが添付された、1月31日の微博(ウェイボー、中国版ツイッター)投稿。
医師の感染克服に対する強い決意が感じられます。

李文亮氏の微博

こんにちは。私は武漢市中心医院の眼科医・李文亮です。
12月30日、とある患者の検査報告を見たところ、SARSに極めて近い陽性反応が確認されたため、臨床医師である同僚に防護服を着用するよう呼びかけ、グループチャットで「SARS症状7例を確認」とメッセージを投稿しました。
投稿後の1月3日、公安当局が私の前に現れ、「訓戒書」に署名をさせられました。
以降、私は通常通り業務を行っていましたが、新型肺炎の患者を診察した後、1月10月に咳が出始め、11日に発熱。12日に入院することとなりました。
なぜ、未だに感染者はなく感染した医師や看護師はいない、と言っているのか、当時は心の中で訴えました。
一度はICUに入るも、核酸検査では反応が見られません。
治療後の再検査でも陰性と診断されましたが、呼吸は更に困難となり、何もできない状況です。私の両親も入院しました。
病棟にて、多くの支援や励ましが届き、心が少し安らいでいます。皆さんの応援ありがとう。免許は剥奪されていないので、安心してください。治療に専念して、必ず退院してみせます!

国民にとって「8人の英雄」の一人として称えられた李氏。
残念ながら、新型肺炎に打ち勝つことができませんでした。

同微博には多くのコメントが寄せられ、SNSでは追悼の投稿がされています。
2月7日、忘れてはならぬ日となりそうです。

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