中国版LINEとも言われるSNSアプリの「微信」(ウィーチャット、WeChat)。
最近はチャットメッセージではなく、現金の代わりとなっている「微信支付」(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)の方が知名度が高くなっていると思います。
このページでは改めて、ウィーチャットの基本機能と便利な使い方についてメモっていきます。
なお、メッセージ送信については割愛しますので、悪しからず。
・なんとなく知っておきたいウィーチャットが理解できる
・LINEとの違いがざっくり分かる
①キャッシュレス決済
「阿里巴巴」(アリババ、Alibaba)の「支付宝」(アリペイ、Alipay)と並列して使用されるオンライン決済の機能。
巷で言われるウィーチャットペイは、ウィーチャットの機能の一つなんです。
店頭での決済方法はアリペイ同様、
・QRコードを読み取って支払
・自分のバーコードを生成して支払
の2種類。
具体的な手順は後日、記事にまとめようと思います。
あとはオンライン上での買い物や宅配・出前、色々な予約時の支払いもウィーチャットペイで可能です。
これもアリペイと同じですね。
※利用する前提として、ウィーチャットに自分の銀行口座を登録しておく必要があります。
②送金
お店・企業 ⇔ 個人のお金のやり取りは、上記の通り。
加えて、個人間の送金・受金もウィーチャットにて行えます。
送金の方法はとても簡単。
1. 相手とのチャットを開く
2.「送金」をタップして金額を設定
3. パスワード入力or指紋認証
すると、チャット内に通知が送られます。
これを相手側がタップすれば、送金が完了です。
中国版のウィーチャットだと1回につき最高で5万元まで送金ができます。
なお、これに係る手数料は発生しません。
家族・友人間の少額での送金にとても便利です。
相手に520元の送金が完了
③ラッキーマネー
グループチャット内で「お金をばらまく」機能。
中国では「紅包」(ホンバオ、Hong Bao)と呼ばれています。
説明が若干しにくいのですが、イメージとしては、
1. Aさんがラッキーマネー100元を準備&投稿(受取人数は3人)
2. 100元のラッキーマネーがグループチャット内に配られる
3. 早い者順でBさん、Cさん、Dさんが吹き出しをタップ
4. 受取金額はBさんが40元、Cさんが50元、Dさんが10元
5. 少し遅くにタップしたEさんは受け取れない
要は、Aさんのラッキーマネーを先着順で山分けするシステム。
各人が受け取れる金額はランダム or 同額です。
ラッキーマネーの設定画面
「お金のばらまき」&「早い者勝ちで山分け」
と、お金を使ったパーティーゲーム性があり、中国人の間で大人気となっています。
ラッキーマネー使用されるタイミングは、
・春節
・誕生日(主役が配布)
・記念日
など。
春節や新年で日付が変わると同時に、企業の社長がマネーを配布するケースも。
社員を奮起させる手段の一つにも用いられています。
LINEには無い、中国独特の文化とも言える機能でしょう。
④企業アカウント
企業も自社の情報を発信するためにウィーチャットを活用しています。
その形式は2つあって、1つ目は@LINEのように企業⇔個人をチャットで繋ぐ方法。
いわゆる企業アカウントと呼ばれるもの。
企業→フォロワーに、メッセージを送信して情報を提供するパターンです。
主に飲食店や小売業が、商品の紹介やプロモーションで用いています。
ただし投稿の回数に制限があって、1ヶ月に4回まで決まっていたはず。
頻繁に届くと、ウザくなってフォローを解除されかねません。
適度な制限だと思います。
イトーヨーカドーやラッキンコーヒーの企業アカウント
⑤購読
もう一つが「購読」という形で投稿する方法。
主にメディアがニュースや記事を流すのに使用しています。
こちらはほぼ制限がなく、毎日投稿ができます。
企業の方にとってはターゲットに合わせた選択すれば、効果的なPR活動に役立ちます。
⑥モーメント
現在の状況などを発信できるタイムラインのようなもの。
下部メニューの「発見」にて行えます。
日本ではTwitterやFacebookがその代わりとなり、LINEでの使用度は低めな気がします。
中国はというと、中国版ツイッターの「微博」(ウェイボー、Weibo)が思い浮かびますね。
ただし、親しい間柄の人向けはウィーチャットのモーメントが良く使われます。
一方、ウェイボーは不特定多数向けです。
この辺りはTwitterとFacebookの使い分けと同じでしょう。
Facebookと違う点は、接点のない第三者(アカウント交換をしていない赤の他人)には、自分のモーメントは見れないというところ。
閉じられた空間で、情報が保護されています。
ウィーチャットの発見メニュー
⑦ゲーム
LINEゲームと同じですね。
ウィーチャットを開発した「腾讯」(テンセント、Tencent)のグループ会社「腾讯游戏」(テンセントゲームズ、Tencent Games)が提供しているゲームなどをダウンロード・プレイできます。
ここはサラッと流します。
⑧チャンネル
最近追加された機能で、「TikTok」(ティックトック)のようなショートムービーを楽しめます。
というか、操作性などもティックトックに類似しており、かなり意識した設計ですね。
流行るかどうかは……微妙ですが。
⑨その他
・スキャン
QRコードやバーコード、ミニプログラムのコードを読み取るために起動します。
・シェイク
LINEの「ふるふる」のウィーチャット版。
友だち追加の他、音楽や映像の近くでシェイクすると検索できるといった機能も備えています。
・トップストーリー
時事ニュースが見れます。
最近では新型コロナウイルスの蔓延状況もリアルタイムで確認できます。
・検索
ウィーチャット内の会話、画像、ドキュメントなど探し物をするときはコチラから。
・近くにいる人
出会い系ですね。
これを起動している近い人とチャットを楽しめるようです。
ボクは人見知りなので、使用したことはありませんが……。
・ミニプログラム
中国語だと「小程序」。
ウィーチャットとの連動アプリが入っています。
荷物の集荷依頼、マクドナルドの出前、各種チケットの予約などが可能。
キャッシュレス社会の中国で使い分けされているウィーチャットとアリペイの図式が、日本ではLINEとPayPay(ペイペイ)に当てはまるように思えます。
SNS + 決済
→ ウィーチャット = LINE
オンライン決済
→ アリペイ = ペイペイ
おそらく、この2社が現金主義の日本を変えてくれることでしょう。
あとは国民が受け入れるかどうか、ですね。