4月21日、「万达电影」(万達電影、Wanda Cinemas)が2019年の事業報告を発表。
営業収入、純利益ともにマイナス成長であることが分かりました。
報告書によると、「万達電影」の営業収入は154.35億元(2,340億円)で、2018年比で5.23%下落。
純利益に至っては47.29億元(717億円)の赤字と大転落しています。
巨額損失を計上する一方、「万達電影」が調達した募集資金は43.5億元(660億円)にも上り、シネマコンプレックス162館を新設する予定も明らかになっています。
また一部のメディアでは、人員の整理と再建を図るために、各劇場にて20~30%の人員削減が行われると報道されました。
しかし、取材に対して映画関係者は、
と回答するだけにとどまりました。
また「万達電影」の曽茂軍総裁も、この事実を否定しています。
4月23日の終値にて、「万達電影」の株価は14.99元(227円)。
市場価値は311.56億元(4,724億円)と高値を維持しています。
新型コロナウイルスによる大打撃
今年初め、湖北省武漢市を発端に、全国で新型コロナウイルスが大流行しました。
この影響は世界各国に広がり、未だに収束の兆しは見えておりません。
これを受けて、中国国内では人が集まる全ての場所が閉鎖・営業自粛を余儀なくされています。
国内でトップシェアを誇る「万達電影」も煽りを受けました。
全国の映画館・シネマコンプレックスも対象となっていて、現在も開館することはできていません。
誰もいないカウンター(※イメージです)
例年、春節に合わせて超が付くほどの大型作品が上映されます。
ただ今年に限っては、公開の目途が全く立っておらず、これが大きな痛手となりました。
2019年は、
・飞驰人生(英題:Pegasus)
・熊出没6(英題:Boonie Bears)
・烈火英雄(英題:The Bravest)
・人间喜剧(原題:La comédie humaine)
など25作品が上映されました。
しかし、本数・来客人数ともに計画通りとは行かなかったのが現状です。
万達グループとは…?
ところで、「万達電影」は巨大コングロマリット企業「万達控股集团有限公司」(万達グループ、Wanda Group)の傘下にあります。
「万達グループ」は中国企業500強に選出されており、そのトップは王健林。
数年前に、
と世間離れした発言をし、話題に上がった人物です。
実現不可能な夢や目標に対して、皮肉めいた時に使用されるようになり、流行語にもなりました。
それはさておき、「万達グループ」はAAAA級の優良企業としても有名でしたが、「万達電影」の経営悪化により少なからず影響を受けました。
今回の件にて「万達グループ」が「万達電影」に14億元を補填することが決まっています。
これによって、王氏の「万達電影」の持ち株比率は58%に及ぶことになりました。
グループの顔が「万達電影」を立て直すことになるのかもしれません。
なお、2018年と2019年ともに配当金を支給できておりませんでした。
果たして、新型コロナウイルスという目に見えぬ敵に打ち勝ち、V字回復することはできるのでしょうか。
客足は戻ってくるのか……
※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。
■参考サイト(中国語)
亏损超47亿元,“院线一哥”将裁员20%~30%?