VIPシステムとは?
中国産のゲームでは当たり前に導入されている「VIPシステム」。
一言でいうと、
こんな機能。
Pay to Win = お金を払う分だけ強くなる
という極めて明確な課金目的から派生して考えられた仕組みです。
単純に多額のお金をゲームに投じているプレイヤーを優遇させるものが、VIPシステムとなります。
VIPシステムの背景
スマホゲームにおけるビジネスモデルは、
・有料のアイテムを購入することで、ゲームを有利に進められる。
まずはお試しでゲームをダウンロードし、面白ければそのままプレイを続けることができます。
ユーザーをより多く獲得するための手法ですね。
ただし、他者と競い合うジャンルのゲームだと、自分が優位に立つためのアイテムや商品が販売されてます。
例えば、
・レアなカード
・強力なキャラクター
・攻撃力が上がる武器
・ステータスをアップさせる装備
など。
ほぼ全てのゲームは最後まで無課金で楽しめる設計になっていますが、その過程で様々な課金誘導が設けられているのです。
(「完全クリア」が存在しないのがスマホゲームなので、正確には「終わり」はありません)
無料でプレイしているプレイヤーと差をつけるための機能ですね。
短時間でキャラクターを成長させたり、強化させたりするために、お金を支払います。
これに更に拍車をかける形で登場したのが「VIPシステム」。
「無課金者と課金者」ではなく「課金者同士」を競わせるために、生み出されたものとも言えます。
「VIPシステム」の本来の目的は、
お金を多く支払ってくれたプレイヤーを手厚くもてなすこと
課金した分を還元すること自体は、格段悪いことではありません。
しかし、課金した金額に応じてランク付けをすることで、プレイヤー自身の心理的な満足度(優位性)が高まるのも事実。
支払金額=ゲーム内の権威性を表すこととなり、他プレイヤーへ脅威を与える役割にもなっています。
VIPの考え方
ゲームに投入した累計金額に応じて、VIPのランクが上がり、得られるメリットが変わっていきます。
タイトル毎の名目や呼び名はさておき、まずはVIPランクについて解説していきます。
簡単な例ですが、
VIP1=累計金額0円
VIP2=累計金額300円
VIP3=累計金額5,000円
VIP4=累計金額20,000円
VIP5=累計金額100,000円
こんな感じでランクが設定されていたとします。
VIP1は完全な無課金者。
今まで1回もお金を支払っていないプレイヤーです。
VIP2は微課金のプレイヤー。
1~2回ほど少額を支払ったことがあると、VIP2に昇格します。
V3~4は一般的な課金者。
少々高めの商品を購入した場合に、このランクに到達します。
また累計金額なので、定期的に低価格のアイテムを購入している場合も当てはまります。
この例だとVIP5が高額課金者。
ゲームに対してお金をかけない無課金・微課金者にとって、一目置かれる存在です。
ユーザー間では「廃課金」とも呼ばれます。
強くなるためにお金を惜しみなく投じたプレイヤーと言えます。
各タイトルの性質にもよりますが、実際のVIP最高額はもっと高く、各ランクは細かく刻まれています。
とあるゲームでは「300万円で最高ランク」という破格の設定も見られます。
リリースからの成熟度によっては、アップデートでランクが開放されて、最高金額も高くなるケースもあります。
なお、VIPのランク付けもゲームによってまちまち。
②購入したゲーム内通貨の累計数量
③ポイント付与による方法
など様々な計算方法があります。
①は上記の例の通り。
全てのアイテムや商品を対象に、決済が完了した累計金額に基づきランクが上がります。
②はゲーム内通貨の購入に限定したもの。
「ジェム」「ダイヤ」といった有料の流通マネーを買った際にカウントされます。
③課金金額だけを対象としないランク付け。
アイテムや商品の購入の他に、何らかの方法で「VIPポイント」が加算され、このポイントの蓄積によってVIPランクが決まります。
このケースでは、無課金プレイヤーにもポイントが得られる機会が設けらています(ログインボーナスなど)。
VIPランクが高い≒課金額が多い
という構図ではなく、
VIPランクが高い≒長く続けているプレイヤー
の意図も含まれているのが重要。
課金をせずともVIPランクが上がる術を残すことで、課金に対する抵抗・批判を和らげる効果があります。
特典のあれこれ
では、VIPランクが高いとどのような恩恵を受けられるのでしょうか。
イメージとしては例えば↓な感じ。
・ステージクリア回数などの制限が緩和
・アイテム購入可能回数の制限が緩和
・同時にレベルアップできる施設数の増加
・戦闘時の経験値アップ
・キャラクターの攻撃力/防御力アップ
だいたいは回数制限の緩和や機能の拡張、利便性の向上などが挙げられます。
また、特定のVIPにならないと購入できないor入手できないアイテムもあり、これが課金額を増やすモチベーションにも繋がります。
課金額によって区別を付けることに、日本にはまだアレルギーがあると思います。
「無課金でも強くなれるようなイベントをお願いします」
といった要望は常時みられます。
ただし、無課金で誰もが優位にゲームを進められては……ゲーム運営・開発会社の商売はあがったり。
逆に課金者=お得意様を優遇することは一つの道理とも言えるでしょう
そんな、あからさまな「VIPシステム」ではありますが……一長一短でゲームを盛り上げる要素になっていることも事実です。
あの手この手でさりげなく課金してもらおうと、色々と試行錯誤している結果なのです。