国家主導の特別番組
まもなく中国で春節が始まります!
何度目でしょうか…枕詞ではありませんが…。
改めまして、2020年1月25日が旧暦の元日にあたります(ご存知ですよね)。
そして、その前日・除夕(=大晦日)の24日には、国民的プログラム「春節聯迎晩会/春节联欢晚会」が放送されます。
通称「春晩」は、毎年大晦日に中国本土で生中継される年越し番組。
家族そろって楽しむ、春節の風物詩です。
番組は、中国共産党の中央宣伝部が主導する「中央広播電視総台(CMG:China Media Global)」によって制作はされていて、オリンピック開幕式と並ぶ超重要な国家プロジェクトの位置づけになっています。
その構成は歌手のライブ披露だけでなく、コメディアンのコントや漫才、京劇、雑技団、マジックショーなど様々。
また、その年の行事イベントを振り返る映像が流されると共に、国家の偉大さを強調する内容も盛り込まれます。
歌のリリックもどちらかというと、愛国心を植えつける単語が多いかも。
共産党色が色濃く印象づけられる春晩は、スタンスや形式こそ近いものの、日本の紅白歌合戦とは「似て非になる」と言えるでしょう。
デジタル技術面のアピールも忘れません。
今年はメイン会場とサブ会場が5Gネットワークで結ばれ、4K画質での生配信が行われます。
またマルチカメラ撮影によって、8Kテレビにも対応した番組も制作予定。
CMGのモバイル向けプラットフォーム「央視頻」ではVR中継も体験できるとのことで、テレビとネットの融合も見所の一つです。
今年の放送は…
放送日時は、2020年1月24日の20時から25日の1時まで(中国時間)。
中国の国営テレビCCTV(China Central Television Network)の総合チャンネルのほか、インターネット配信やCMGの公式アプリからも見ることができます。
昨年は国内外あわせて11.7億人が視聴したとのこと。
日本では…ニコニコ生放送で生中継されていましたね。
一部通訳・字幕が付けられていて、日本のみなさんも雰囲気を味わえたのではないでしょうか。
世界がネットで繋がっている今、地域や場所に関係なく、春晩を楽しめるようになりました。
フェイクニュースにご注意を…
先週、ネット上で春晩の演目内容が出回りました。
有名な歌い手に豪華なタレント勢と、錚錚たる顔ぶれ。
出演者も然ることながら、中継先にもサプライズが…。
なんと、サブ会場に東京、司会者に安住伸一郎さん!
「むむむ!」
「東京オリンピックがあるから(!?)、今年は国を超えて、ライブ放送されるんだ!」
「SNH48が東京会場で歌うの?」
と反応は様々。
かなり手の込んだイメージだったのと、興奮度・信用度が高まり、瞬く間に拡散されていきました。
しかし、数時間後に公式発表があり、それらの内容は偽物と判明。
多くの国民がガッカリしたこととなりました。
この手の偽情報は他にもたくさんあって、どれが本当のプログラムなのか分からなくなります。
ボクも最初は「え!?本当!?」とテンションが上がり、今回の紹介をアップしようと思ったほど。
結局は騙された形になりましたが…。
まぁ、これも楽しみの一つだと思いつつ、情報リテラシーを育む良いきっかけになりました。
(この記事はフェイクではありません!)
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豆知識
あれ? 春晩の制作は中国中央電視台(CCTV)では無いんですか?
簡単に言うと、CCTVはCMGの子会社。
CMG傘下には、CCTVの他に4つのメディアが入っています。
中国中央電視台(CCTV:China Central Television Network、国内テレビ放送)
中国国際電視台(CGTN:China Global Television Network、国際テレビ放送)
中央人民広播電台(CNR:China National Radio、国内向けラジオ)
中国国際広播電台(CRI:China Radio International、国外向けラジオ)
正確には、上記の4つの会社が合併して、CMGが設立されたのですが…。
CMGの国内テレビ部門がCCTV。
制作:CMG
放送:CCTV
といった関係ですよ。