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【2020年】中国の旧正月(春節)の伝統的な過ごし方

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「まもなく中国では旧正月に入ります」
年が明けて、仕事始めから通常モードに切り替わる1月中旬から下旬、みなさんも耳にすることがあるのではないでしょうか。

しかし、「旧正月」「春節」といった単語を何となく知っていても、具体的に説明するってなると、以外と難しい。
実際にボクも、うる覚え程度の知識しかありません。
そこで今回、改めてきちんと調べて「春節とは何か」を分かりやすく整理してみました。

1. 春節とは…

まずは基本として太陽暦と太陰暦の違いについて、理解しておきましょう。

太陽暦(新暦)は、太陽の動きに基づいて日付を決める暦で、グレゴリオ暦とも呼ばれています。
太陽の周りを地球が1周するのに要する日数=365.24日≒365日を1年と定めていて、世界の多くの地域で採用されている統一カレンダー、これが新暦。

一方、太陰暦(旧暦)とは、月の満ち欠け・動きを基準にした暦のこと。
地球の周りを月が1周するのに要する日数=29.5日を1ヶ月とし、12ヶ月=354.36日≒354日で1年となります。
旧正月とは「旧暦の新年」のことを指します。

1年の計算方法・日数が太陽暦と太陰暦で違うため、普段ボクたちが使用している太陽暦を中心に考えると、太陰暦の1月1日(元日)は毎年ずれていきます。
「今年の春節はいつ?」といった質問が見られるのは、これが理由だったんです。

中国でも基本的には新暦を軸に、カレンダーが捲られていきます。
しかし、古い歴史と長く伝わる風習も大切にしており、現在も旧暦の新年を祝う習慣が残っています。
旧暦にあたる正月=旧正月を盛大に祝う時期を、総称で「春節」と呼んでいるのです。
なお、春節は中国だけでなく、隣国の韓国や中華系民族が多いシンガポールでも祝賀されますよ。

太陽暦・太陰暦共に周期に端数が発生しているため、太陽暦は4年に1度、太陰暦は3年に1度、年数を1日追加して(閏日と言います)補正します。
ご存知、日数が1日増える年が「閏年」ですね。

2. 今年の春節は何月何日?

今年は新暦2020年1月25日(土)が旧暦の元日にあたり、「初一」と表されます。
一般的な祝日は前日の24日(除夕)から年明け6日目の30日(初六)までの計7日間。
そのうち、25日(初一)から27日(初三)の3日が、厳密な「春節」になります。

春節休みは国慶節休み(毎年10月1~7日)と並ぶ大型連休であり、一年での中で最大のビッグイベント。
「春節」の3日間は、基本的にはお役所や銀行は業務を行いません。
また一部の企業や個人商店などは、その前後に+αの休みを加え、計10日~3週間の休暇にするケースもあります。
(ボクが務めている中国企業も、1月20日から2月2日までお休みとなりました)

この記事をアップした2020年1月14日の時点で、街中の雰囲気やニュース報道は既に年越しモードに突入中。
全体的に浮足立っている感じで、仕事には力が入っていないかも…。
このような春節気分が約2ヶ月も続くんです。
今年の動向は以下の通り。そろそろ帰省ラッシュが始まりますよ!

2020年のカレンダー

日付(新暦) 主な動向
12月中旬~下旬 高速鉄道の特別輸送(臨時運行)スケジュール発表
帰省日の1ヶ月前から乗車券の予約が可能
1月6日~ 街中が春節らしく色鮮やかになる
オンラインショップなどで年末セール開催
1月13日~23日 徐々に帰省開始、大掃除
忘年会・新年会、一般企業は仕事納め
1月24日(除夕)-大晦日 大晦日、高速道路が無料(30日まで)、家族と飾りつけ
春節聯歓晩会
1月25日(初一)-元日 元日、子供にお年玉(紅包)を渡す
お役所、銀行は休業
親戚・知人訪問、挨拶
1月26日(初二)~27日(初三) 親戚・知人訪問、挨拶
新作映画を見に行く
1月28日(初四)~30日(初六) お役所、銀行は仕事始め
ターンラッシュ開始
1月31日(初七) 一般企業は仕事始め

3. どのように過ごす?

春節前・遅くとも大晦日までには、みんな生まれ故郷に戻って、新年を迎えます。
一人暮らししている学生も、都心でもがき苦しむ新米サラリーマンも、家庭を築いている若夫婦も。
海外旅行へ旅立つ人たちもいますが、家族・親戚と一緒に過ごすのが一般的です。
(特に未婚の社会人は、必ず帰省しないといけないんだとか)

年が明けると同時に、花火や爆竹を放って、派手に祝います。
ただし、都市部では環境問題(空気汚染&ゴミ放置)が深刻化したため、数年前に使用規制されました。
影でこそっと打ち上げてバレてしまったら、罰金対象ですので、ご注意を。

元日以降は家族・親戚への挨拶回り。
美味しいものを食べたり、白酒を飲んだりと、大勢でのんびりとくつろぎます。

①春節の装飾

百聞は一見に如かず。
代表的な装飾アイテムの画像をアップしていきます。

【福字】
春節の逆さ福
「福」を逆さ(倒福)にして、ドアや入り口に貼り付ける。
福が来る=「到福」と同じ「ダオフー」の発音から。

【対聯】
春節の対聯

こちらも門の両脇に貼り付けられる、伝統的な飾り。
対句の一種で、年初の願いが書き込まれています。

【提灯・燈籠】

装飾は中国のメインカラーである赤をベースに、幸運・金運も表す黄・金が使われ、煌びやかに春節を演出してます。
大小様々な燈籠がスーパーで売られていました。

②食べ物

広大な中国では地域によって春節に食べるものが異なります。

北京など北方では「水餃子」が一般的。
理由は金・銀宝珠の形に似ていることからで、発財=商売繁盛・金儲けの願いを込めて、大晦日に家族と一緒に餃子を作ります。

その際、一部の餡に硬貨を忍ばせてから皮で包みます。
もし食べた餃子に硬貨が入っていたら、その人にマネーがやってくる、とのこと。
そんな縁起担ぎの遊び心も交えながら、春節中は毎日餃子を頬張ることになるのです。

餃子 元宝

餡子やピーナッツ入りの白玉スープ「湯圓」が、広州などの南方で食されます。
「湯圓」の発音は中国語で「タンユエン」。
これが家族団欒を意味する「団圓=トゥアンユアン」に近く、こちらも縁起が良いとされています。

湯圓

その他、
魚料理:「魚」の発音が「余」(=余裕)と同じ「ユー」で、困ることが無い豊かな生活を。
鶏料理:「鶏」の発音が「吉」(=吉祥)に近い「ジー」で、万事めでたい。
白菜:「白菜」の発音が「百財」(=財を成す)に近い「バイツァイ」で、裕福になれる。
と、物事の願いや成功を連想させる単語の語調に合った食材を使うのも、古き良き文化と言えるでしょう。

中国でも日本と同様、御餅(中国語は「年糕」)が食べられます。
これは、発音(ニェンガオ)が同じ「年高」に纏わり、生活や仕事が高くなる、いう意味。
正月餅も幸運を呼ぶ食べ物として、欠かせない一品になっているんですね。

③春節聯歓晩会

旧暦の大晦日=除夕の夜にCCTVで放送される伝統的な番組。
日本の紅白歌合戦にあたります。
大晦日は家族で「春節聯歓晩会(中国語:春节联欢晚会)」をテレビで見るのも習慣の一つでした。
しかし、今はネットの時代。スマホやスマートテレビを通じたインターネット放送で楽しむ人も増えているようです。

内容は有名歌手やグループによるライブ演奏に加え、コメディアンの漫才やコント、雑技団の演目など様々。
と同時に2019年の出来事を振り返りながら、中国共産党の偉大さをアピールする、やや政治色が強い一面も備わっています。

今年のプログラムについては、後日追ってレポートしていきます。

④紅包

日本で言うお年玉に相当。
でも、中国では少し勝手が違います。
もちろん現金を赤い封筒に入れて、子供に渡す慣わしも存在しますが、最近ではウィチャット(微信)でお金を「ばらまく」行為の方が、認知度は高めです。

「紅包(ホンバオ)」は、ウィチャットの送金機能の一つで、例えば、グループチャット内に
金額:1000元、人数:10人
と設定した「紅包」を送信すると、ルーム内の10人が先着順で、1000元を山分けできるシステム。

受け取れる金額はランダムなので、500元の場合もあれば、3元の場合も。
いち早く受け取った人、一番金額が多かった人をゲーム感覚で競い合える、人気が非常に高い機能です。
良い意味で「お金に対する意識が高い」中国だからこそ、広まった文化とも言えるでしょう。
なお、結婚式などの御祝儀も「紅包」と呼びますよ。

⑤豆知識

年男・年女は赤い下着を
今年は「子年(ねずみどし)」。
この干支に生まれた男女は、災難・事故・病気を防ぐと言われる、赤いパンツなどを身に着けます。
ショッピングモールでは全身真っ赤な下着セットが売られていました。

赤色の下着

縁起が良い数字
中国は6と8がラッキーナンバー。
この2つの数字が付く日やモノは、何事も吉ということで、1月30日(初六)や2月1日(初八)に仕事を開始する企業もあるようです。

洗濯・洗髪はダメ!
新年の1日目と2日目は水神の誕生日。
そのため、衣服を洗うことは控えた方が良いと言われています。

また旧暦の元日の洗髪もNG。
理由は髪(=「发」)を洗うと、发财=財産が洗い流されてしまうから。
洗濯とシャワーは大晦日に済ませておきましょう。

ハサミ&裁縫禁止!
刃物を使用すると思わぬ怪我をする可能性があります。
自分自身であれ、道具であれ、どこも痛むことなく無難に年越しをすることが、好からぬ不幸を招かないとされています。

嫁いだ娘は帰省するべからず
既に結婚した娘が両親の元に戻る、厄運も付いて来て、経済的な災難をもたらすとのこと。
俗習として、初二以降に帰省すれば大丈夫のようです。

春節の夜の装飾

今回は結構ボリューミーに…。
春節に纏わるアレコレって、かなり奥が深い…。
でも、今まで分かったようで分かっていなかったことを、少しだけ分かることができました。

こんな感じで、これからも中国の文化や風習について、徐々に紹介していきます。
ネタがあれば。

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