イギリスの調査機関「Canalys」によると、2019年のスマートフォン世界シェア1位は韓国の「サムソン」(Samsung)で21.8%。
次いで、中国の「华为」(ファーウェイ、Huawei)、アメリカの「アップル」(Apple)となり、それ以下にも中国メーカーが軒を連ねています。
端末のスペックも上がり、技術的な進歩が著しいスマートフォン業界。
将来的にも、中国産の製品が今以上に世界のマーケットを支配していくことが予想されます。
本記事では、そんな中国のスマホメーカーについてメモっていきます。
中国のスマホメーカー①:ファーウェイ(Huawei)
第2位の「ファーウェイ」は世界シェア17.6%。
1987年に設立された「华为技术有限公司」(Huawei Technologies)は広東省深圳市に本社を構えています。
スマホシェアもさることながら、情報通信技術(ICT)ソリューション分野でも世界トップクラスのサプライヤーであり、現在はクラウドコンピューティング事業をも手掛ける巨大IT企業として知られています。
社 名:华为(ファーウェイ、Huawei)
設 立:1987年
創業者:任正非
本 社:広東省深圳市
ファーウェイの特徴
2018年2月に世界で初めて「5G」(第5世代移動通信システム)による通話テストを成功。
5Gに関する特許を最も多く保有しており、この分野をリードしています。
また人工知能(AI)における技術も高く、アメリカと熾烈な競争を繰り広げている一方、ここ最近は情報管理・国家安全保障に纏わるセキュリティ問題も話題に。
「ファーウェイ」を市場から排除する国も出ており、連日ニュースにもなりました。
そして今、大きく注目を集めているのが「ファーウェイ」独自のOS「HarmonyOS」。
「Android」に代わるスマートフォンのオペレーションシステムとして、準備が進められています。
また検索アプリ「Huawei Search」(ファーウェイサーチ)も開発中とのこと。
自社端末への実装は来年以降に持ち越されるようですが、その出来が非常に気になるところですね。
中国のスマホメーカー②:シャオミ(Xiaomi)
昨年のスマホ出荷台数は1億2,500万台で、世界第4位。
ハイスペックな端末を1,500元(22,500円)~と手頃な価格で提供していて、若年層を中心に購入者が増えました。
世間ではよく「アップル」と比較されています。
直営店のデザインから製品発表のプレゼンまで、かなり意識していると感じさせられる部分も。
数年前からは5,000元(75,000円)台のスマホも投入。
ロイヤル層へのアプローチにも力が入ってきました。
社 名:小米(シャオミ、Xiaomi)
設 立:2010年3月3日
創業者:雷军
本 社:北京市
シャオミの特徴
創業10年足らずでトップ企業に成長した「シャオミ」。
世界的にはスマートフォンのブランドとしての印象が強いですが、中国国内では家電メーカーのポジションを取っています。
主な製品はテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどなど。
もちろん、ノートパソコンやスマートウォッチもお家芸です。
近年、よく耳にする「IoT」(モノのインターネット、Internet Of Things)は生活のあらゆるモノがネットに接続される仕組みのこと。
「シャオミ」は「IoT」のプラットフォームを構築しており、この分野では世界最大級。
1億台以上のスマート機器がインターネットと繋がっていて、オンラインによる家電製品の月間利用者数は2.42億人に上ります。
スマホメーカーの枠を超えた中国を代表する企業です。
中国のスマホメーカー③:OPPO
中国国内シェア第2位で17.8%、世界レベルだと8.8%で第5位。
出荷台数1.2億台の半数以上が国内でのものだが、近年はアジアを中心にマーケットを広げています。
「OPPO」の営業所は40の国と地域にあり、販売店は40万を数えます。
社 名:OPPO(オッポ)
設 立:2004年
創業者:陈明永
本 社:広東省東莞市
OPPOの特徴
カメラ機能でイノベーションを起こしたのが「OPPO」。
高性能・高画質を主軸に「セルフィ―」時代にマッチした機能を次々と導入し、その利用者数は2億人とも言われています。
またリーズナブルな価格帯で、中所得者以下をターゲットに絞っているのも如実に。
例えば、東南アジアの地方都市にも「OPPO」の看板が見られるように、裾野にも進出しています。
誰でも気軽にスマホを購入できる、といった体験を「OPPO」がリードしていると言えるでしょう。
中国のスマホメーカー④:vivo
世界シェアを8%まで伸ばしている「vivo」の出荷台数は1.14億台。
中国国内では「シャオミ」を抑えて、第3位に食い込みました。
世界シェアは「アップル」「サムソン」+中国4社で争っている形です。
現在は地球上で30億人以上がスマホを所持していますが、その3/4が中国メーカーという試算になります。
社 名:vivo(ヴィヴォ)
設 立:2009年
創業者:沈炜、段永平
本 社:広東省東莞市
vivoの特徴
「OPPO」同様、「vivo」も低価格路線の戦略をとっています。
Android端末の中でも使い勝手が良く、ボクも長らく愛用していました。
2016年以降はNBAの、さらに2018年と2022年のFIFAワールドカップでも公式スポンサーを務めています。
世界的には新参スマホメーカーの位置づけのようですが、数年後にその価値をグッと高めているかもしれません。
昨年より「シャオミ」が日本に進出し、中国のスマホメーカーをチェックする人が増えてきました。
資本を投入した大掛かりなプロモーションも各地で目にします。
「中国産」というだけで疑い深くなっているのは否定できませんが、革新的な製品をどんどん打ち出していて、今までのイメージは払拭されていくでしょう。
ぜひ一度、最先端の技術を体験してほしいと思っています。