数年前に、日本の番組で紹介されていた気もしますが…。
内容はとっくのとうに忘れてしまいました。
一時期はイノベーションを起こしたとまで言われて自転車のシェアビジネス。
数十社がしのぎを削り、街中の至る所に各社を象徴するカラフルな自転車が溢れていました。
その一方、無秩序な駐輪や不十分なメンテナンス、事故の多発及び不明確な賠償責任など、杜撰な管理と曖昧なルールが社会問題に。
目先の利益に捕らわれた多くの企業や投資家が「負け逃げ」撤退し、ブームは終焉。
都市部では飽和状態となるも、合併や買収により整理された数社がシェア独占を目指しています。
代表的なシェア自転車のあれこれ
そんな群雄割拠のシェアビジネスで生き残りをかけ、今なお北京市内でサービスを展開しているブランドをご紹介。
個人的な感想を交えながら、最新情報をレポートしていきます。
①青桔単車(中国語:青桔)
代表カラー:エメラルドグリーン
2018年1月に成都でサービスを開始。翌2019年の5月より北京でも見かけるようになりました。
タクシーと自動車の最大手『ディディ(中国語:滴滴出行)』の傘下に入っていて、同アプリから開錠・利用が可能です。
1回の乗車につき1.5元(24円)~で、距離や時間によって0.5元ずつ加算されていきます。
特徴は全体のクオリティの良さで、壊れている車両を殆ど見かけないこと。
定期的に回収して修理をしているようで、快適なサイクリングが保証されています。
また一部には3段階ギアが備わっていて、路上のコンディションにより強弱を調整できるのは嬉しいところ。
シェア争いで最も首位に近い自転車かと思います。
※ギア付き自転車はレア度が高めです。
②美団(モバイク、中国語:美团)
代表カラー:イエロー
最大手グルメ&エンタメ情報レビューサイト+出前アプリを運営する「美団」が提供する自転車。
頑丈の割には軽量で、女性にも負担を感じさせない設計になっています。
乗っているときの疲労感は少なく、全体的に見ても、青桔に負けないクオリティを誇っています。
③Mobike(モバイク、中国語:摩拜)
代表カラー:オレンジ
微信(Wechat)アプリで登録・決済ができるシェア自転車。
以前までは人気が高く、圧倒的な利用率を誇っていました。
その理由は品質維持に強く、定期検査では約90%が合格しているようです。
2018年に上記の美団に買収されてからは、やや放置状態気味で、現在は古びた車両を多く見かけます。
④bluegogo(ブルーゴーゴー、中国語:小蓝单车)
代表カラー:ブルー
2016年末に深圳市で開始。翌年にはタクシーなどの配車アプリ『ディディ(中国語:滴滴出行)』へサービス移管されました。
配車ビジネスが急成長したこともあり、プラットフォームを通じたユーザー確保に成功しています。
2018年からは北京を含む一部の都市で保証金が免除され、利用しやすくなりました。
毎日2~5回、小型トラックで街中に放置されている自車を集めて回っています。
回収した自転車は地下鉄の駅付近にきれいに並べられ、利用者に十分配慮している印象です。
(街の景観づくりにも一役買っていて、好感度は高めです)
⑤ofo(オフォ、中国語:小黄车)
代表カラー:イエロー
ブームの火付け役となった第一人者で2016年より本格的にスタート。
アリババの資本が入ってからは、全国に約1,000万台を配置、利用者は2億人を突破しました。
しかし、2018年9月に貸付金未払いの問題が発生すると、これを火種にユーザー離れが起こります。
さらに保証金が返金されないトラブルまで発展する事態に(登録時に100元の保証金を預けます)。
そして、1,000万とも2,000万とも言われる人々が保証金の支払を求め、各都市のサービスセンターに長者の列を成しているニュースが話題になりました。
薄利多売のビジネスモデルが、
品質低下→利用者激減→収入減→整備不備
の悪循環を招き、このような騒動まで発展してしまいました。
自転車シェアビジネスの先駆者は、敗者(廃車)になりつつあります。
悲しいかな、街で目にするofoの車両は、見るも無残な扱いを…可哀そうに。
※ちなみに、自転車を横から見た形をイメージして、「ofo」というブランド名が付けられているんですよ。
シェア自転車の乗り方は…
利用方法は至ってシンプル。
まずは各車両に対応しているアプリにて、簡単な登録と決済アプリ(アリペイ(Alipay)、ウィチャットペイ(微信ペイ/Wechat Pay)と連携させて事前準備。
次に該当する自転車に貼ってあるQRコードをアプリから読み取ると、電子音が鳴り、自動的に開錠されます。
安全運転で目的地に到着後、駐車して施錠すれば、自動的に料金が撤収されます。
現在は登録時の保証金がほぼ不要。
1回当たり1.5元~と経済的なので、週末を中心に利用していますよ。
そのためシェア自転車を利用するときは、以下の点に注意してくださいませ(体験談)。
なお、北京市内は全体的の交通ルールが守られていません。
車両・歩道に関わらず、さらに逆走でブザーを鳴らしながら、宅配バイクが猛スピードで駆け抜けています。
信号無視は当たり前の歩行者にも気を付けながら、「命を懸けて」シェア自転車を利用することになるかと思います。
くれぐれも事故に遭わぬよう(トラブルは向こうからやって来ます)、ご注意ください。
最後に…
自転車に限らず、シェアビジネスで大切なのは、
モノを丁寧に取り扱い、次の人のことを考えて、大事に利用する
ことに尽きるかと思います。
「自分がお金を払っているのだから、自由に使えればそれでいい」と、手荒く扱ってしまうと、そのモノ自体も長持ちしません。
結局は、シェアする全ての人々が良心をもって、持続可能なサービスに協力していくことこそが、お互いのプラスになるのだから。
それは、誰がお金を払って利用しているか、は関係ありません。
むしろ、支払う側が紳士的な振る舞いを行う、そのような大人の方が、クールですよね?
これからも、スマートな姿勢で颯爽と、北京を漕ぎ抜けていきます。