中国国内の環境問題に対する取り組みに関して、最近の話題と言えば「食べ物の浪費禁止令」。
レストランなどで食事量・注文量を適度にコントロールし、食料の無駄を減らすための注意喚起ですね。
またカフェやファーストフードでの排出されるゴミの対策も積極的に進んでいます。
若者に大人気の「HEYTEA」(喜茶)は専門家との協力の下、問題解決へ着手し始めました。
HEYTEA(喜茶)が研究機関と共同で対策
日本で流行しているタピオカミルクティーですが、美味しく頂いた後のカップやストローが、大量にゴミと化して社会問題に発展しました。
これは世界どこでも同じで、中国も例外ではありません。
ゴミ箱や路上に溜まる「使い捨て」アイテム。
2020年中に全ての飲食店で、プラスチック製のストローが使用禁止になります。
この責任は特にドリンク・カフェ系のチェーン店へ大きく圧し掛かっています。
そんな中、8月17日にHEYTEAと清华苏州环境创新研究院(清華蘇州環境創新研究院)が共同宣言を発表。
「HEYTEAの脱プラスチック・緑化発展プロジェクト」をスタートさせました。
清華蘇州環境創新研究院は学力トップの清華大学の第二事業機関で、環境への研究を行う専門機関です。
プロフェッショナルチームとタッグを組んだHEYTEAは、以下の目標を掲げ、今後施策を実施すると述べました。
・リサイクル可能な製品の開発
・廃棄物の減少
・環境配慮への強化
実際のところ、ストロー問題に対しては2019年に着手済み。
深圳や上海の一部の店舗では、すでに紙製ストローが導入されています。
2020年6月時点で、約1,100万本のプラスチックストロー削減に寄与しているとのことです。
ボクも実際にHEYTEAでドリンクを購入して、紙製ストローを入手してみました。
思った以上にしっかりしていて、液体に強い素材を使用している様子。
口に含んだ時に若干の不慣れな固さを感じましたが、機能自体は問題なし。
飲み終わり後はカップとストローを分別してゴミ箱へ投入しました。
各ブランドが素早いアクションで「ストロー革命」
HEYTEAより少し早い8月1日、中国国内のドリンク消費量が最も多い「蜜雪冰城」(Honey Snow City)も年内に紙製ストローへ移行することを公表しています。
前日には実店舗でのお披露目会(体験発表会)も開かれました。
「ストロー革命」とも言える運動が、有名なブランドでも始まっています。
ここで触れておくべきは、この先駆けともなったスターバックスの声明でしょう。
2018年、グローバル展開する全ての店舗にてプラスチックストローを禁止する、と意思表示を行いました。
日本でも大きなニュースにもなりましたね。
今では中国のスターバックスは紙製ストローのみを提供。
有言実行を成し遂げました。
なお、国内のマクドナルドも早々にプラスチックストローとオサラバしています。
このように外資系企業は環境への対応がとても早く、先に進んでいる感があります。
おそらく、外向けにアピールすることでイメージアップを図る意図もあるのでしょう。
一方、世界の工場と言われている中国はどうか。
長らく環境へ配慮・対策をするよう、各国から厳しい目が向けられています。
圧倒的な存在感を誇る故に、この問題は避けて通れませんね。
上記に倣って、中国の企業も代替ストローからテコ入れを始めたのが現状のようです。
HEYTEAしかり、有名なブランドが「ストロー革命」を起こしたことで、国民の意識も変わりつつあります。
これが将来の持続可能な社会の実現に向けた、第一歩となるかもしれません。
未来に向けた環境問題への取り組み
ストロー以外の変革も見ていきましょう。
まず、多くのティーブランドで包装の材料の見直しが進められています。
カップ、ふた、テイクアウト用バッグ……どれも大量の消費される使い捨てアイテムですね。
これがHEYTEAと清華蘇州環境創新研究院が改良・開発に力を入れている分野。
もし、材質・用途で新たなスタイルや技術を生み出すことができれば、世界は変わります。
一歩先ゆく行動で、業界のリーダーに躍り出るのは明らかでしょう。
企業としての信頼・価値が高まると共に、競争で優位に立つことも可能です。
そして、これは単なるゴミ問題の解決に留まりません。
例えば、HEYTEAで推奨しているマイカップ持参キャンペーン。
そしてリサイクル商品の提供・販売と環境イベントへの参加。
企業理念を見直し、これに基づいた環境への取り組みを行っています。
チーズティーを飲むのに費やされるのは15分ほど。
しかし、地球の資源を「吸い尽くす」のに残っている時間は、思っているほど長くないかもしれません。
メディアの報道によると、2019年に全国で生産されたプラスチック製品は約8,184万トン。
そのうち、ストローは3万トンで、460億本が世に出されました。
国民1人当たり30本を消費している計算になります。
ドリンク業界が背負う環境破壊という名のプレッシャー。
消費者にも責任の一端はあると思います。
20年、30年後に道端がブランドのロゴシールで溢れることがないよう、一人一人が真剣に考えなければならない問題です。
※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。
■参考サイト(中国語)
喜茶联手清华做研发,茶饮业正在掀起一场“吸管革命”