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【ほんやく通信】来年の東京オリンピックでeスポーツ大会は実現するのか?

CHINA NEWS
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1. 近年のeスポーツとオリンピック

eスポーツのファンはオリンピックに対して特別な感情を抱いています。
そして次世代プロゲーマーは、オリンピック種目に加わることを常に想定しています。

プロゲーマーもしくは「eスポーツ選手」が格闘ゲーム・対戦型スポーツゲームで支持される最大の理由は、スピーディーな展開と圧倒的な操作スキル。

一般ユーザーのレベルを遥かに超えた試合が、ファンを魅了しています。

これらはオリンピック競技の要素とも重なり、競技性が高いという共通点を生み出しました。
eスポーツがオリンピックを意識するのは自然の流れといえるでしょう。

また近年のオリンピックでは観客・視聴者の高齢化の傾向が囁き始めています。
eスポーツを取り入れることは若者へのアピールにも繋がるため、メリットは少なくありません。

2016年、国際オリンピック委員会(ICO)の会長バッハ氏は、

「若い人たちがオリンピックに関心をもつのを、待っていてはいけない。我々自らが彼らの世界に溶け込みべきだ」

と述べました。

IOCのバッハ氏

これを反映させるようにロッククライミング、サーフィン、スケートボードが東京オリンピックの種目に追加されています。

反面、2017年に同氏は、

「差別と暴力のない、人類の平和的な共存を願う」

オリンピックの主旨に対して、

「暴力や殺戮といったイメージを持つeスポーツは主旨が一致しない」

と主張。
eスポーツに否定的な考えを示しています。

それでも、時代の流れと世論の反応には逆らえません。
翌年、1つの喜ばしいニュースがありました。

IOCが「電子競技」はスポーツであると認めたのです。
eスポーツが認定され、オリンピックへの道が一歩前進した瞬間でした。

さらに大きな出来事が生まれます。
eスポーツが初めてアジア大会の種目として追加されたのです。

これを機にオリンピックへの期待が更に高まります。
そして、種目発表の日。

残念ながら、2024年パリオリンピックでもeスポーツの採用は見送られました。

前出のバッハ氏は、

「eスポーツは組織的な形成が未熟である。大会ではきちんとドーピング検査を行っているのか」

と懐疑的な態度を示しています。

いやはや、私たちも組織については知識が十分ではありません。
では、eスポーツを形成する姿にも目を移してみましょう。

2. グローバル化するeスポーツ

eスポーツ業界に係る組織は少なくありません。
これらを構成する人員もゲーム業界のメンバーで占められ、まさに伝統的なIOCさながらといったところです。

そこに風穴を開けるように、新たに設立されたのが「GEF」(Global Esports Federation)。
競技と伝統スポーツの隔たりを打ち破りました。

GEF

GEFの初代会長にはシンガポールオリンピック委員会のChris Chan氏が就任した他、アジアオリンピック理事会の終身名誉副会長の魏纪中氏、カナダオリンピック委員会のChamaine Crooks氏に加え、「腾讯」(テンセント、Tencent)グループの副総裁の程武氏がGEF副会長を務めます。

GEFがオリンピックと密接に関係しているのが、従来の組織と全く異なる点でしょう。

さらにGEFは4月13日、「日本eスポーツ連合」(JeSU、Japan eSports Union)のGEF加盟と、JeSU代表理事の岡村秀樹氏のGEF理事会メンバーへの就任を発表しました。
と同時に、IOCの顧問を務めたこともあるPaul J. FOSTER(ポール J. フォスター)氏の加入も決まりました。

フォスター氏はスポーツ界の象徴とも言えるべき人物。
過去20年間、夏・冬を含めて10期以上でオリンピックのチーム指導を行っていた、典型的な「オリンピック人間」です。

また来賓向けにヨーロッパ国際大会のための試合基準を定めました。
このような基礎レベルでの標準化の制定は、まさにeスポーツのグローバル化に必須であり、GEFが召致した理由でもあります。

そして、もう一人。
今回新たに就任した岡村氏は、セガホールディングスの代表取締役会長やJeSUの会長でもあります。

セガは任天堂、ソニー、マイクロソフトとともに4大ゲーム機種メーカーとして知られています。
またゲームの開発会社ではあるものの、オリンピックとは緊密な関係をもっていることは有名な話。

IOCの独占授権者である「ISM」(International Sports Multimedia)と長きに渡るパートナーシップを結び、2008年北京オリンピック、2010年バンクーバーオリンピック、2014年ソチオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピックでサポートを行っていました。

そして来たる東京オリンピックでセガは、公式ゲームプロバイダーとなりました。
オリンピックをテーマにした新たなゲーム4作品の投入を控えています。

東京オリンピック関連のゲーム

このような実績を引っ提げて参画した岡村氏により、発足してから10数年経った現在でも確たるポジションを獲得できていないeスポーツが、GEFによって発展を遂げると期待が高まっています。

岡村氏はJeSU設立当初、eスポーツ選手に対してプロライセンス制度を設けました。
さらに賞金付きのeスポーツ大会を開催するとともに、国際大会に日本選手団を派遣しています。

かつて賞金付きの大会は前例がありません。
この壁を岡村氏は打ち破ったのです。

プロライセンス発行によるプロゲーマーの確立と職業化によって、彼らが受け取る報酬の上限が、法律下での制限をされなくなりました。

eスポーツの発展

そしてJeSU設立時の公約通り、2018年のアジア大会ではeスポーツが種目に加わっています。
大規模なスポーツイベントで、ゲームが公式的に認められた瞬間でした。

日本のゲームファンはこの年を「日本eスポーツ元年」と呼んでいます。

3. ゲームメーカーの積極的な参画

GEFメンバーであるテンセントの程氏の存在も忘れてはいけません。
テンセントは言わずと知れた中国No.1のゲーム開発・運営会社「腾讯游戏」(テンセントゲームズ、Tencent Games)を傘下に入れています。

では、なぜゲームメーカ―の幹部が続々と加わっているのでしょうか。

答えは2019年にスイスのローザンヌで開催された第8回オリンピックサミットにあります。
この会合で国際スポーツ連盟が競争分野の開拓を推奨したことで、eスポーツに白羽の矢が立てられたのです。

「国際スポーツ機関はゲームメーカーと強い協力関係を築く可能性を模索している」

世界的な競技団体やスポーツ機関とゲームメーカーとの間には、著作権の問題がありました。
この点をGEFがセガ、テンセントと共にクリアしていくことで、eスポーツの道を開いています。

またゲームメーカー各社が蓄積している大会の運営経験、ノウハウ、人材育成の面でも、GEFに有利に働くでしょう。

日本は世界でも有数のゲーム大国で、eスポーツに関しては網羅していると言えます。

日本のゲームユーザー層

岡村氏が就任したことに対し、GEFは、
「eスポーツ業界における連盟の繋がりは、さらに強固なものになるだろう」
と述べ、日本の貢献を期待しています。

新型コロナウイルスの拡大によって、東京オリンピックは2021年に延期となりました。
日本政府は経済振興のため、民間企業と競争産業の発展を推奨する計画を立てています。

eスポーツは正式種目とはなっていないものの、少しばかりの可能性は残っているかもしれません。

※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。

■参考サイト(中国語)
明年的东京奥运,我们能看到电竞比赛吗?

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