両者は似て非になるものですが、本質をきちんと理解していない場合も珍しくありません。
それぞれを一言で表すと、
カルチャライズ:対象国・地域の文化や風習に合わせて、表現などを変更すること。
ローカライズは言語そのものに対して、カルチャライズは価値観に対して使われます。
このページではゲーム翻訳におけるローカライズとカルチャライズの違いと重要性についてメモっていきます。
・ローカライズとカルチャライズの違いや具体例が分かる
・ゲーム翻訳におけるローカライズ・カルチャライズの重要性が分かる

ゲーム翻訳におけるローカライズとカルチャライズの違い
冒頭の説明だと「ローカライズ=翻訳」と認識されるかもですが、これは正しくありません。
「ローカライズ」と「カルチャライズ」は翻訳の役割であって、
といった構図。
翻訳とは「ある製品を、対象国・地域で使用できるよう、文化・風習・慣習を考慮して(カルチャライズ)、言語を変換する(ローカライズ)こと」と言えます。
ローカライズとは?
ある国を対象に作られた製品を、外国でも使用できるように、対象国の言語に変換すること。
ソフトウェアの表示を外国語にすること。
ローカライズは原文(外国語)の意味に限りなく近づけた形で、日本語に直す作業です。
具体例として、ゲーム内で良く目にする表現をご紹介しましょう。
例①:ログイン画面にて
英語 :Game Start
中国語:开始游戏
日本語:ゲームを始める/ゲームをスタート
どの表記も意味は同じ。
国によって特別な単語に変える必要はありませんね。
例②:プレイ画面にて
英語 :Main Story
中国語:主线剧情
日本語:メインストーリー
ゲームの主要コンテンツ。
日本語だと、カタカナ(外来語)のまま採用することが多いです。
例③:商品画面にて
英語 :Shop
中国語:商城
日本語:ストア/商店/ショップ
日本語だと類似の単語が思いつきます、
ですが、どれもカルチャライズとは言えません。
例④:メニュー内にて
英語 :Setting
中国語:设置
日本語:設定
こちらも世界共通。
ゲーム以外、例えばスマートフォンの表示言語の切り替えでも確認できるでしょう。
国・地域を問わずに認識が一致した場合において、原文と同じ意味の言葉に変換する作業がローカライズとなります。
簡単な単語による置き換えが多く、フォーマット化されている(他にも引用できる)ケースがほとんどです。
空港や駅構内にある案内板、観光パンフレットなどの日本語版(もしくは日本語→外国語版)においては、実際はローカライズを意識した翻訳が行われていますよ。
カルチャライズとは?
ある国を対象に作られた製品を、販売する国や地域の文化に合わせて、内容を変更すること。
カルチャライズは対象国・地域の文化、風習、生活スタイルなどを考慮した上で、表現を改めることです。
ここでは、中国産ゲームで見られる単語・文章をピックアップして、カルチャライズの例を挙げてみます。
例①:文化的な側面
中国語:红包
日本語:お年玉、ご祝儀、送金
旧正月(春節)に合わせて「红包」は必ず登場。
広義だと「お年玉や御祝儀」ですが、「微信」(ウィーチャット、WeChat)を通じた送金機能の意味も持っています。
ケースバイケースで日本語を使い分けるのが、カルチャライズのコツです。
例②:食べ物
中国語:过年吃饺子吧
日本語:年越しそばを食べましょう
キャラクターの会話で見かけるかも。
新年を迎えるにあたり、中国では餃子を食べるのが一般的です。
直訳だと「餃子を食べましょう」となりますが、日本的には「そば」の方がより適切ですよね。
例③:支払い方法
中国語:支付宝、微信支付
日本語:現金、PayPayなど
中国ではオンライン決済が一般的で、ゲーム内の課金アイテムも「支付宝」(アリペイ、Alipay)や「微信支付」(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)を通じて行われるのも珍しくありません。
厳密には言語だけの問題ではありませんが、対象国によって機能全体を変更するのも、広義的なカルチャライズとなります。
ローカライズは単純な言語の置き換えでも意味が通じる時には有効。
一方、カルチャライズは表記だけでなく、イメージ・イラスト・デザイン・機能に対しても行われることがあります。
余談として、口に入れる動作「食べる」「飲む」の概念が日本と中国では若干異なります。
吃药 :直訳は「薬を食べる」、日本語だと「薬を飲む」
そのまま訳してしまうと、しっくりきませんよね。
このモヤモヤを解消する作業が翻訳におけるカルチャライズになります。
翻訳とは「ある製品を、対象国・地域で使用できるよう、文化・風習・慣習を考慮して、言語を変換すること」であり、
「翻訳はローカライズ/カルチャライズである」が、「ローカライズ/カルチャライズは翻訳ではない」ということを抑えておきましょう。
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