読書をしない若者が増えたと言われていますが、そんなことはありません。
書籍であれデジタル版であれ、本は売れ続けています。
それは中国でも同じで、広々とした図書館や巨大な本屋では大勢の人々が読書を楽しんでいます。
もし深圳を訪れて時間的に余裕があるのなら、「深圳図書館」と「深圳书城」(深圳書城)に足を運んでみませんか?
有名な観光地ではありませんが、今の中国っぽさを体験できる場所となっていますよ。
本記事では探していた中国の本が必ず見つかる、2つのスポットについてメモっていきます。
1. 深圳図書館
深圳の福田区にある公共施設。
文化センターの一部となっていて、周辺には公園、病院、コンサートホールなどが併設されています。
広さは約5万平方メートルと広大。
6階建ての図書館には2,000以上の座席が設けられていて、静かな環境で読書や自習を行えます。
蔵書数は1,000万冊を超えており、中国国内でもトップクラスに入ります。
①場所&アクセス
地理的には「莲花山公园」(蓮花山公園)の南側にあります。
と言っても馴染みはないですよね……。
一番近い駅は地下鉄3号線の「少年宮」駅。
ハブ駅(⁉)ともなっている「福田」駅の隣なのでアクセスは抜群です。
「少年宮」駅のD番出口を出て、道路沿いに西へ進みましょう。
5分ほど歩くと左手前方に深圳図書館が見えてきます。
大きな文字で書かれているので、遠目からでもすぐに確認できるでしょう。
ちなみに道路を挟んで「深圳音乐厅」(コンサートホール)があります。
②厳重なセキュリティ体制
先に断っておきますが、現在は旅行者が気軽に立ち寄れる場所とはなっていません。
少し期待されていた方へ、申し訳ございません
図書館に入るには利用者登録が必要です。
まずスマホ経由で情報を入力、もしくは受付で必要事項を記入。
パスポートを提出して本人確認を行います。
これは本の貸し出しを利用する・しないに関わらず、最初にすべき手続きです。
もし面倒くさいと感じたら……図書館の外観だけを堪能しましょう。
無事登録が完了すると、利用者カードを受け取れます。
緑色の「读者证」(READER’S CARD)。
久しぶりにメンバーズカード的なのを作成しましたね。
これを入口で提示すれば、図書館に入ることができます。
ボクが視察したときは、新型コロナウイルスの感染予防対策が徹底されていました。
(基本的にどこもそうですが)マスク着用が義務付けられています。
エントランスをくぐり、持ち物&セキュリティチェックを経て、深圳図書館に入館。
なお自前の本を持参している場合、案内所で預ける必要があるかもです。
③見どころ
まず目に飛び込んでくるのは明るく清潔なスペース。
天井は高く、一部は最上階まで吹き抜けになっています。
1階は新聞や雑誌を閲覧できます。
オットマン型のチェアーがいくつもあって、待合室のような感じ。
傍らには仕切りで分けられた勉強スペースが備わっていました。
エスカレーターで2階に上がってみましょう。
大きな空間にポツンと置かれている小さなATMのようなマシーン。
無人の貸出・返却機ですね。
あまり真新しくはないステムですが、当たり前のように設置してある感じが中国らしくも思えます。
ちょうどスタッフが本を回収していました。
ここはマンパワーでの作業が必要なのでしょうか。
操作方法は割愛しますが、非接触によって感染予防にも一役買っているようです。
少し奥に進んでみると、新書のコーナーがあり、その先には語学に関する書籍がずらり。
日本語の教科書もたくさんありました。
みな黙々と学業に励んでいますね。
備え付けの電源も利用できて、勉強の仕方は様々。
とても静かなので、集中できる環境だと思いました。
基本的なレイアウトは各フロア同じで、目的に合った場所で読書を堪能できます。
6階から見下ろすと……空いている所ならどこでも居座ってイイ感じですね。
階段の上や地面の片隅で、ゆっくりした時間を過ごせそう。
普通の図書館と言われれば返す言葉がなさそうですが……留学や転勤で深圳を拠点することになったら、「读者证」を作成して通い詰めても良いかと思いますよ。
2. 深圳書城
こちらは結構大きめな本屋さん。
深圳図書館と同じ最寄り駅にあって、かつ出口に直結しているため、ついでに立ち寄りたいスポットです。
①場所&アクセス
地下鉄3号線「少年宮」駅のすぐそば。
人の出入りが多くなっているところが「深圳書城」です。
②見どころ
まず入口でマスク着用&体温チェック。
今の時期、どこでも同じですね。
深圳書城は2層に分かれて構成されていました。
こちらも吹き抜けとなっていて、開放感に満ちています。
1階は新書、ビジネス書、小説、伝記、専門書など大人向けのコーナー。
上から撮影すると、こんな感じ。
迷路のような感じにも見えなくもありません。
幅広い階段もしくは左右のエスカレーターで上へ行けます。
まもなくイベントでも行われるのでしょうか。
階段はかなり「密」でした。
2階は子供向けの絵本や学習本でギッシリ。
こちらもかなりの「密」具合で、新型コロナウイルスが再発しないか、ソワソワしました。
週末だったからか、縁日のような雰囲気で賑やか。
同施設には語学や習い事のテナントが入っていることもあり、子供連れが目立ちました。
全体的に騒がしいので、読書に耽ることは難しめ。
でも、ブラつくには持ってこいの広さです。
レストランやカフェ、話題の「喜茶」(HEYTEA)も併設されているため、深圳図書館とセットで半日くらい滞在できました。
本好きで、中国語の書籍を入手したい方は是非チェックしてほしいと思います。
深圳図書館、深圳書城は福田区の中心地からそう遠くない所にあります。
証券取引所、市民公園、ショッピングモールがある中心地へは地下鉄やバスで30分もかかりません。
福田区で最も有名な「COCO Park」(ココパーク)も近く、この辺りを散策するのもオススメです。
何はともあれ、本って最高だなと思える瞬間が、深圳にはありますよ。