
「中国語で「无论」と「不管」の意味や使い方を知りたい」
「両者の違いを理解したい」
「どんな時に「无论」や「不管」を使うのか知りたい」
そんな悩みを解決します。
「无论」と「不管」は、ともに「〜に関わらず」という意味を持つ中国語の表現。
しかし、微妙なニュアンスの違いがあります。
結論から言うと、条件や事柄に関わらず、「无论」は同じ結果が生じることを、「不管」は結果が変わらないことを示します。
このように聞くと、少し差が分かりにくいですが……文章で使われやすいのが「无论」、口語で使うのが「不管」、とザックリ覚えておきましょう。
兎にも角にも、日常会話やビジネスシーンで頻繁に出現します。
「〜に関わらず」という文法を抑えておいて、決して損はありません。
このページでは中国語の「无论」と「不管」の意味・違いと使い方を、例文を添えてメモっていきます。
・「无论」や「不管」の意味や違いが分かる
・「无论」や「不管」の正しい使い方が身に付く
・状況に応じて両者を使い分けられる

1. 中国語の「无论」と「不管」の違いと使い方
冒頭の通り、「无论」と「不管」は「〜に関わらず」という意味。
品詞は共に接続詞です。
しかしながら、若干のニュアンスの違いがあり、場面によって使い分けされています。
まずは、両者の違いから見ていきましょう。
①中国語の「无论」と「不管」の違い
「无论」は、あらゆる条件や事柄に関わらず、同じ結果が生じることを示す表現。
つまり、条件や状況がどうであれ、同じような結果が生じるという意味合いが強く、選択肢や条件を示す場合にも使われます。
一方、「不管」は、ある条件や事柄に関係なく、何をしても結果が変わらないという意味。
そのため、「无论」と異なり、選択肢や条件を示す場合にはあまり使われず、主に「どんなに〜しても〜ない」という否定的な意味合いで用いられます。
やはり、少し分かりづらいかもしれません。
一旦、以下に「无论」と「不管」の違いを整理してみます。
- 无论
・正式な表現で、主に文章やビジネスシーンに用いられる。
・あらゆる条件や事柄に関わらず、同じ結果が生じることを表す。
・どちらかというと、肯定文で使われる。 - 不管
・口語的な表現で、主に日常会話で用いられる
・ある条件や事柄に関係なく、何をしても結果が変わらないことを表す。
・どちらかというと、否定文で使われる。
このように、微妙なニュアンスが異なる感は否めません。
ですが、どちらも「〜に関わらず」という意味を持ち、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われます。

②「无论」と「不管」の使い方(文法)
では次に、「无论」と「不管」の文法について解説します。
実のところ、使い方に関しては、両者に大きな違いはありません。
一般的には次のような形となります。
- 无论/不管 +「主語」+(不/没)「動詞」
「主語」が「動詞」する/しないに関わらず - 无论/不管 + A + 还是 + B
AまたはBに関わらず - 无论/不管 +「主語」+「疑問詞」+「動詞」
何/誰/どこ/いつ/どんな状況に関わらず
1つ目は、最も代表的な文法。
「无论」や「不管」の後に主語と動詞を置き、その後に結果の文章が続きます。
2つ目は、「A」や「B」のように、2つ以上の選択肢がある場合に使います。
「A」と「B」のどちらを選んでも、同じ結果が生じる構文が後ろに続きます。
最後は疑問詞によって条件を限定する表現。
「どんなに状況が変化しても、結果は同じ」という強い意志を含んでいます。
なお、疑問詞は通常「什么」、「谁」、「哪里」、「什么时候」、「怎么样」、「为什么」などが使われ、この形も非常によく見られます。
共通しているのは、どれも後半には肯定的な文章が続くこと。
また前向きな結果を示すときに「无论」を、否定的なニュアンスを含むときは「不管」を採用します。
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2. 中国語の「无论」と「不管」の例文
ここでは「无论」と「不管」を順番に使って、例文を作成していきます。
①「无论」の例文
まずは「无论」で文章を作っていきます。
无论你同意不同意,这就是事实
賛成か反対に関わらず、それが事実です。
否定形を用いて、両方の状況を説明。
「君が同意しようがしまいが」といった意味の方が分かりやすいかもしれません。
无论你多忙,也要注意身体健康
いかに忙しくても、健康に気を付ける必要ある
簡単な訳にしていますが、本稿に沿うと「忙しい/忙しくないに関わらず」のような感じ。
否定形を使わなくても、両方の意味を含みます。
无论是国内还是国外,每个地方都有其独特的风景
国内もしくは海外に関わらず、どの場所も独特の景色があります
「国内でも海外でも」とも言い換えられます。
ちなみに、「还是」は肯定文で用いる「それとも」の意味をもつ接続詞です。
无论你是谁,只要你努力就一定会成功。
あなたが誰であろうと、努力すれば必ず成功します
疑問詞を使った例文の1つ目。
「あなたが誰だろうと関わらず」とも訳せます。
无论我在哪里旅行,我都会尝试当地的美食
どこに旅行しても、私は現地の美食を試す
「哪里」(どこ)の疑問詞が入っている文章です。
場所がどこであろうと、後半の行動(現地の食べ物を食べる)は変わりません。
无论你用什么方式学习,要记得保持好奇心
どんな方法で学習しても、好奇心を保つことを忘れないでください
「什么」は「何」の意味で、「什么方式」では「どんな方法」。
手段に関わらず、好奇心を保ち続ける必要性を説いています。
无论在哪里,父母都会支持我们的决定
どこにいても、両親は私たちの決断を支持してくれます
いつでも家族・両親はあなたの味方です。
こちらの「哪里」の例文は、心に留めておきましょう。

②「不管」の例文
次に「不管」を使った例文です。
不管你有多么生气,这并不会改变事实
あなたがどれだけ怒っても、事実は変えられません。
主に「不管」の構文の後半は、否定的な内容が来ます。
感情を取り乱しても、結果が同じであることを肝に免じておきたいです。
不管她多么努力,她似乎无法达到自己的目标
彼女はどんなに努力しても、自分の目標に到達できないようです。
「无论」や「不管」と一緒に、副詞の「多么」(どれだけ/どんなに)がよく使われます。
程度に関わらず……といった感じです。
不管他有钱还是有房间,也不能买到幸福
彼がお金や家を持っていても、彼は幸福を買えません。
こちらは「还是」を使った文章。
格言として覚えておきましょう。
不管你怎么说,我都不会改变我的决定
あなたが何を言おうとも、私は決定を変えません。
疑問詞を併用した例文。
どちらかと言うと、口頭での会話で聞かれる内容です。
不管他怎么解释,我都认为他在撒谎
彼がどんなに説明しても、私は彼が嘘をついていると思います。
「多么」や「怎么」は同じ意味。
後半は否定文では無いですが、ネガティブな意見となっています。
不管你的背景如何,都应该受到平等的对待
あなたのバックグラウンドがどうであれ、平等に扱われるべきです。
「如何」は「いかなる」といった意味もあります。
相手に対する批判的な内容が盛り込められています。

不管怎样,我们都必须面对现实
どうあれ、私たちは現実に向き合わなければなりません。
「不管怎样」は1セットで、「なんであろうと/否が応でも」の意味。
これだけで前半の文章は成立するので、非常に便利です。
③「无论」と「不管」の比較
最後は両者の違いを、同じような文章を使って比較していきます。
无论我喜欢不喜欢这个电影,我都会和你一起去看
この映画を君が好きでも嫌いでも、ボクは一緒に観に行くよ。
不管我喜欢不喜欢这个电影,我都无法和你一起去看,因为我今晚要工作
この映画を君が好きでも嫌いでも、今夜は仕事だから一緒に観に行けない。
少し例えが難しいのですが……相手の好みに関係なく、映画を行くかどうかの違いです。
「无论」は相手の意見に配慮する傾向があり、逆に「不管」は自分の都合を優先しています。
无论你需要什么帮助,我都会尽力帮你
あなたが必要とするどんな助けでも、私はあなたを助けようとします。
不管你需要什么帮助,我都无法帮你,因为我也需要帮助
あなたがどんな助けを必要としていても、私も助けが必要なので、あなたを助けることはできない。
同じ文章を使った場合、「无论」は相手にとって必要なことをするという意志を表しています。一方、「不管」は自分自身も助けが必要であるため、相手を助けることができないという意思を表しています。つま
无论谁来这个聚会,都要穿得正式一点
誰がパーティーに来ても、少しフォーマルな格好をしなくてはならない。
不管谁来这个聚会,都要穿得正式一点
パーティーにいくなら、少しフォーマルな格好をした方が良いよ。
この例文は、どちらも同じ意味。
しかしながら、「无论」はより正式で、主催者側が強いアドバイスといった感じ。
「不管」はもう少し優しい印象を与え、軽い注意喚起のようなニュアンスがあります。
また前者はやや文書的で、後者はカジュアルで口語的な印象を与えます。
一般的には、好ましくない状況にて使われます。
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中国語の「无论」と「不管」の違いと使い方のおさらいです。
- 「无论」と「不管」は「〜に関わらず」という意味を持つ接続詞。
- 「无论」は正式な表現で主に肯定文にて使われ、「不管」は口語的で主に否定文にて用いられる。
- 无论/不管 +「主語」+(不/没)「動詞」
「主語」が「動詞」する/しないに関わらず - 无论/不管 + A + 还是 + B
AまたはBに関わらず - 无论/不管 +「主語」+「疑問詞」+「動詞」
何/誰/どこ/いつ/どんな状況に関わらず
「无论」と「不管」は中国人との会話で頻繁に出てきます。
文法や意味を抑えておいて決して損はありません。
HSKの試験でも出題されるため、忘れずに覚えておきましょう。