「動詞の後ろに「过」が付く文章に出くわしたけど……どういう意味?」
「どんな時に「过」を使うの?」
「自分の経験や体験を説明したい」
そんな悩みを解決します。
中国人とのコミュニケーションの中で、「我看过1次」「我以前去过」のように動詞の後ろに「过」が付いた文章に遭遇することがあります。
結論から言うと、意味は「……したことがある」。
よって訳的には「1度見たことがある」「以前行ったことがある」といった具合で、経験を表しています。
非常に出現度が高く、「过」の構文は習得すべき必須項目です。
きちんと理解しておけば、自分の体験談を相手に話せるようになり、中国人との距離がグッと縮まるでしょう。
このページでは中国語の「过」の意味や使い方を、例文を添えてメモっていきます。
・中国語の「过」の意味や使い方が分かる
・「过」を使うシチュエーションが分かる
・過去の経験などを相手に伝えられる
1. 中国語の「过」の意味と使い方
「过」使われ方は幅広く、
方向補語:場所や空間の移り変わりを示す
助詞:過去に発生・経験した動作や状態を示す
と品詞や意味が複数あります。
本稿で紹介するのは助詞の「过」。
方向補語の詳しい説明は以下の記事をご覧くださいませ。
①「过」の品詞と意味
冒頭の例文「我看过1次」「我以前去过」で使われる「「过」は助詞。
意味は前述した通り、「……したことがある」です。
ただし、少し掘り下げていくと、
- 以前に動作があったことを示す
我看过1次
→ 1度見たことがある(経験) - 現在と比較して、過去どうだったかを示す
大学生的时候,我胖过
→ 大学生の時に太っていた(今は痩せている) - すでに動作が終わったことを示す
孩子们已经午睡过了
→ 子どもたちは昼寝を終えた(今は起きている)
といった場合に用いられ、文章の流れによって意味合いは若干異なります。
この辺りは例文などを見ながら、少しずつ慣れていければ良いでしょう。
②「过」の文法(語順)
本稿で紹介する構文では、
- 「过」は動詞もしくは形容詞の後ろに置く
- 目的語は「过」の後ろに置く
- 回数は「过」、もしくは目的語の後ろに置く
- 否定形は「没(有)」を動詞の前に置く
が基本ルールです。
- 肯定形
「動詞/形容詞」+ 过 +「目的語」+ 〇次 - 否定形
没(有) + 「動詞/形容詞」+ 过 +「目的語」
念のためですが、回数と「没(有)」は同時に使いません。
どちらか一方の文法が一般的なので留意しておきましょう。
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2. 中国語の「过」の例文
では、実践です。
- 以前に動作があったことを示す「过」
- 現在と比較して、過去どうだったかを示す「过」
- すでに動作が終わったことを示す「过」
のパターン別で例文を作っていきます。
①以前に動作があったことを示す「过」
まずは動作が行われたことや経験を述べる時の表現。
「过」の後ろに回数が続く場合が多いです。
我看过这部电影
この映画を見たことがある
非常にシンプルで一般的な形。
「这部电影我看过」と並べ替えることも可能です。
我以前去过上海3次
上海には3回ほど行ったことがある
目的語と回数を併用しています。
「去过3次上海」とはならないので注意しましょう。
他从来没有迟到过
彼は今まで遅刻をしたことはない
否定形では副詞の「从来」を使うことが多いです。
「从来没+「動詞」+ 过」で「これまで……ない」となり、セットで頭の片隅に入れておくと良いかもしれません。
你吃过榴莲吗?
ドリアンを食べたことはありますか?
経験を尋ねるときの質問文。
普通に「吗」を付ければ成立しやすいです。
我们曾经讨论过很多次
私たちは何度も話し合っている
具体的な回数が示せない時は「很多」や「几」で表現。
また副詞の「曾经」も「过」と一緒によく使います。
②現在と比較して、過去どうだったかを示す「过」
次は過去と現在の比較で、「「形容詞」+ 过」の文法も使われます。
「いつ頃の話なのか」と「どうだったか」を明確にしましょう。
我小时候瘦过
子どもの頃は痩せていた
時期は「小时候」、状態は「痩」で形容詞。
昔は痩せ型だったが今は……と後に説明を付け加えることも可能です。
弟弟是很好的厨师,但年轻的时候没有做过饭
弟は立派なシェフだが、若い時に料理をしたことがない
過去の状況+否定形の形です。
現在との比較が分かりやすい例文かなと思います。
几天前暖和过,今天早上又很冷
数日前は暖かかったが、また今朝は寒くなった
三寒四温なのでしょう。
季節の変わり目に使ってみてほしいフレーズです。
这条商业街以前热闹过,现在却很冷清了
かつて商店街は賑わっていたが、今では閑散としている
「热闹」(活気にあふれている)と「冷清」(物寂しい)は対義語。
どちらも形容詞で、商店街の雰囲気が一変したことを示しています。
③すでに動作が終わったことを示す「过」
最後は動作の完了を述べます。
すでに過去の事象であるため、助詞「了」を文末に付けることが多めです。
我打扫过房间了
もう部屋の掃除は終わったよ
「了」によって話し手の言葉の調子を伝えます。
一般的な文章で「我已经打扫房间了」とも言い換えられます。
他来过办公室了,但又出去了
彼はオフィスに立ち寄ったが、またすぐに出て行った
少しだけ顔を見せて、すぐに立ち去った感じ。
「①動作があったこと」に近いですが、後半に次の行動を説明しており、「③動作が終わったこと」に分類されます。
他解释过了,所以我们转到了下个话题
彼の説明は終わったので、次の話題に移った
もう何度も同じことを言ったのでしょうか。
話を切り上げる時にも使えそうです。
我到达体育场时,上半场已经踢过了
スタジアムに着いたら、前半戦が終わっていた
「踢」は「ボールを蹴る」で、「踢过」だと「蹴り終わった」です。
少しくだけた言い方に聞こえるかもしれません。
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中国語の「过」の文法のおさらいです。
- 「过」は過去に発生・経験した動作や状態を表す助詞。
- 意味合い的には、
- 以前に動作があったことを示す
- 現在と比較して、過去どうだったかを示す
- すでに動作が終わったことを示す
- 文法的な構成は、
肯定形:「動詞/形容詞」+ 过 +「目的語」+ 〇次
否定形:没(有) + 「動詞/形容詞」+ 过 +「目的語」
これらの構文を使いこなせると、過去と現在を比較したり、経験を説明したりする時にとても役立ちます。
また中国人との会話で頻繁に出てくるため、用法を習得しておいて決して損はありません。
HSKの試験でも出題される文法です。
忘れずに覚えておきましょう。