「「把」の役割や使い方が全く分からない」
「「把」って何のためにあるの?」
「本当に「把」は必要なの?」
そんな悩みを解決します。
ここで指す「把」は、数の単位(量詞)ではなく、文章の途中で出てくる方。
我把作业做完了=ボクは宿題を終えた
↑のような使われ方をする「把」です。
このページでは中国語の「把」構文の意味と使い方について、例文とともにメモっていきます。
・「把」の存在意義が分かる
・例文を通じて「把」の基本的な使い方が身につく
・中国人から一目置かれる存在になれる
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1. 中国語の「把」構文の意味
①「把」とは何?
上記の例文の「把」(bǎ)は、中国語では介詞と呼ばれています。
介詞とは……日本語でいう助詞、あるいは英語だと前置詞にあたる役割ですね。
と教科書的に言っても、ピンと来ないかもしれません。
ここはざっくりと、
と覚えておいてくださいませ。
②どうやって「把」を使うの?(語順)
中国語の一般的な文章の作りは、
の順番です。
中国語:我学习中文(wǒ xué xí zhōng wén)
日本語:私は中国語を勉強します
英語のように、主語のすぐ後に動詞が続きます。
一方、「把」を使った構文では、
と、主語の後ろに「把」を置き、続いて目的語・動詞の順で文章を組み立てます。
このスタイルは俗に「把構文」とも呼ばれていますね。
「その他の品詞」には目的語や補語(補足的な表現)が入りますが、難易度は少々高め。
こちらは後半の例文にて詳しく解説していきます。
先に簡単に、冒頭の「ボクは宿題を終えた」で比較してみましょう。
通常:我做完作业了
把:我把作业做完了
作业=宿題
做完了=終えた
両方とも意味は同じ。
「把」を使うと、日本語に近い語順となるのがわかると思います。
こんな感じで「把」は、
の形で用いられます。
③なぜ「把」を使うの?
どうして、「把」を使う必要があるのでしょうか?
ざっくりとした理由は、
- 先に目的、最後に結論を言うため
- 目的語を強調するため
- 目的語が2つ以上ある場合に、使用せざるを得ない
などなど。
1、2番目はイメージがしやすいかもしれません。
通常:我做完作业了(「終わった」ことに重きを置いている)
把:我把作业做完了(終えたのが「宿題」であることを強調)
みたいな感じです。
肝は3番目。
「その他の品詞」が関係しています。
少しややこしいですが、
- 全ての「通常」文章が「把」の構文にできるわけではなく
- また「把」を使った文章を、「通常」の文法に置き換えられるわけでもない
「把」でつまずく最大の要因は↑でしょう。
しかし、ご安心くださいませ。
以下の例文より、その悩みを解決したいと思います。
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2. 中国語の「把」の使い方と例文
「把構文」を奥が深く、追及するとキリがありません。
そのため、本記事では取り上げるパターンは3つだけ。
②目的語が人の場合
③否定文
良く見られる使い方のみを紹介します。
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①「把」の使い方:目的語が物の場合
「把構文」で最もメジャー使われ方が、物が目的語となる場合。
往々にして、「その他の品詞」部分に2個目の目的語や、人がくることが多くなります。
百聞は一見に如かず。
例文で解説していきます。
你把这碗热汤喝吧
この温かいスープを飲んでよ
→ 動詞の後ろに目的語がない、一般的な「把構文」です。
我把钱还给他了
お金を彼に返した
→「その他の品詞」に人がくる典型的なパターンです。
我把钥匙放在桌子上了
私は鍵をテーブルの上に置いた
→「钥匙」「在桌子上」ともに目的語となるため、「把」が必須となります。
文法的に、
×我放在桌子上钥匙了
という順番にはならないため、注意しましょう。
你把情况说清楚,大家会谅解你的
状況を詳しく説明すれば、みんな理解してくれるよ
→ こちらも、
×你说情况清楚
×你说清楚情况
と表現することができません。
少し複雑になってきましたね。
你把问题看得太复杂,想得太多
問題を複雑にとらえすぎ、考えすぎだよ
→ 動詞の後に助詞「得」+形容詞が続きます。
「その他の品詞」で動作や変化、状態、程度などを補足するために、「把」が不可欠なのです。
②「把」の使い方:目的語が人の場合
「主語」+ 把 +「目的語(人)」+「動詞」(+「その他の品詞」)
物に比べたら、使う機会は少ないかもしれません。
とは言え、「その人」をどうするかを強調したりするときに役立つかもしれません。
我把她说服了
彼女を説得した
→ 最も簡単な構成で、
〇我说服她了
で置き換えることも可能です。
我想把所有人都提出意见
私はみんなに意見を出してほしい
→ 主語が「我」、目的語が「所有人」ですが、動詞の後にも「意见」(目的語)があるため、「把」を用いります。
请你把他们带回家
彼らを家に帰してください
→ 動詞「帯」の後ろにも目的語があります。
×请你带回家他们
とはできません。
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③「把」の使い方:否定文
否定文は2種類のみ
没把:過去の事柄
すでにご承知かもですが、「把」の前に「不」か「没」をつければ、否定文の完成です。
我不把你的秘密告诉别人
あなたの秘密を他に人には言わない
父母不把我选择他们希望的人生
両親は私に彼らが望む人生を選ばせない
妹妹没把便当带去学校
妹は弁当を学校に持っていかなかった
我昨天没把视频上传到YouTube
昨日は動画をYouTubeにアップロードしなかった
なお、「把構文」の否定文では、動詞の前に「不」や「没」をつけるのは間違い。
×他把鞋子不保持干净
〇他不把鞋子保持干净
彼は靴をキレイにしていない
必ず「把」の前に置きましょう。
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「把」の使い方のおさらいです。
- 文法的には、「主語」+ 把 +「目的語」+「動詞」(+「その他の品詞」)
- 先に目的、最後に結論を言うときに使う
- 目的語が2つ以上ある場合に使用
「把構文」は中国語検定やHSK(漢語水平考試)に必ず出るポイントの1つ。
主語、目的語、動詞の位置関係に着目すればOKだと思いますよ。