ボクも最初に耳にしたときは、少し戸惑いました。
横文字なんかで言われて、余計に意味不明だと。
このサイトを訪れた皆さんは、もしかしたら同じ気持ちを抱いているかもしれませんね。
そんなわけで、近年のゲーム業界で良く使われるIPの基礎知識や活用方法、役割などをメモっていきます。
・IPの基礎知識が理解できる
・ゲーム事業におけるIPの活用方法が分かる
・中国でIPビジネスが分かる
IPとは?
英単語2文字だけで表現されても、何のことか分からないですよね。
ここで使うIPとは、「知的財産」のこと。
と略語で使われる法律用語ですね。
「知的財産」って言われても、ピンときませんが……。
はい、ボクもそう思います。
では、「知的財産」ってどういうものでしょうか。
なのですが、ふむ……。
まだ分かりにくいかも。
ざっくり言うと、
・商品、作品、キャラクターなど財産となるもの
かなと思います。
これら財産を所有する権利を「知的財産権」「著作権」「特許権」などと呼びますね。
それはさておき、以上が法律上の部分。
さて、ゲーム業界で使われるIPとは、どんな意味・位置づけになるのでしょう。
要約します。
となります。
代表的なIP
エンターテイメントのビジネスでは、子供から大人まで幅広く認知されている作品・キャラクターほど、そのIPの価値が高まります。
となると、幼少期からハマっている「漫画」「アニメ」「ゲーム」が該当しますね。
以下に代表的な日本のIPを紹介します。
漫画・アニメ
ガンダム
ちびまる子
クレヨンしんちゃん
ドラゴンボール
スラムダンク
ポケモン
ワンピース
NARUTO
上から古い順に並べてみました。
誰もが知っている作品ですね。
世界中で愛される日本のIPと言えるでしょう。
成都で開かれたスラムダンクの展覧会
ゲーム
ドラゴンクエスト
ファイナルファンタジー
三國志
パワフルプロ野球
ウイニングイレブン
モンスターハンター
家庭用ゲーム機「ファミコン」が登場した1980年代からスマホゲームが普及したまで現在まで、無数の作品が生まれました。
その中で多くの人から支持を得て、シリーズものとして今も人気を博している代表が↑。
アニメやゲームのファンは年齢層やジャンルによって散らばっているため、上記以外にもたくさん存在していますよ。
ゲームでIPを活用する利点
上記の例に挙げたタイトルの版権は、
ドラゴンクエスト=スクエア・エニックス
パワフルプロ野球=コナミ
と開発したゲーム会社自身が所有しています。
他のゲーム会社に該当するIPを使用することはできません。
マリオやドラクエのようにゲーム初期から大切に育て上げられた作品には一定数のファンがいて、新作が販売されると彼らリピーターが購入する場合が多い。
よって、ある程度の売上が見込まれます。
好きな音楽や映画、iPhoneの新機種、スポーツチームのユニフォームも同じですね。
これがIPが持つ価値であり、パワーなのです。
では、強力なIPを所有していないゲーム会社はどうするか。
漫画やアニメの版権をもつ出版社から許諾を得て、そのキャラクターや世界観を使用してゲームを開発する
ことになります。
ゲーム以外の業界から人気があるIPを借りるということですね。
その理由は簡単で、
→漫画やアニメには既に多くのファンがいる
・知名度がある
→ゲーム自体が認知されやすい
・世代を超えて愛されている
→幅広い層にリーチできる
要は、一からキャラクターを育てる必要もなく、既にある人気を直ぐに手に入れることができるのが最大の理由ですね。
もちろん、そのための対価(契約金、使用権料など)は発生します。
完全オリジナルの新しいキャラクターの場合、ある程度の人気になるために長きに渡る歳月を要します。
ちょっとそこらの期間で価値が上がることはありませんから。
時間的・リソース的な問題を解消するために、他社のIPを活用するのです。
中国で人気がある日本のIP
前出の「哆啦A梦」(ドラえもん)、「蜡笔小新」(クレヨンしんちゃん)、「灌篮高手」(スラムダンク)は、街中で良く見かけますね。
これら比較的歴史があり、ほんわかしたIPは関連グッズや商品化で用いられます。
世代や国に関係なく、語り継がれています。
中国にある怪しげな「クレヨンしんちゃんカフェ」
一方、ゲームはと言うと、ヒーロー系の作品が目立ちます。
「七龙珠」(ドラゴンボール)、「航海王」(ワンピース)、「火影忍者」(NARUTO)などなど。
他者との対戦を好む中国人と、アニメの題材がマッチしているのでしょう。
このように中国では日本のIPを活用したビジネスが大ブームとなっています。
正直、何かに時間をかけて作り上げることが苦手な(もしくは嫌いな)中国では、世界に誇る自国のIPが殆どありません。
おそらく、短期間で成果・利益を上げたい感が強いからだと推測されますね。
一攫千金を狙いやすい、とも言えるかもしれません。
そんな感じなので、中国の企業が日本IPの独占使用権を交わして、様々な形でビジネス展開を図っています。
そして特に大きな市場となっているのが、アニメとゲーム。
巨大テクノロジー企業の「腾讯」(テンセント、Tencent)は、
ゲーム事業:「腾讯游戏」(テンセントゲームズ、Tencent Games)
の二大柱で、両分野を牽引しています。
日本発のサブカルチャーの価値が更に高まった証と言えると思います。
IP=知的財産を生み出すためには、最低10年はかかるでしょう。
また、その過程で莫大な人、モノ、カネが費やされます。
既に強力なIPを所有している会社は、版権の販売。
IPがない会社は、使用権の取得と活用。
この両者の間にIPビジネスが成り立っており、ゲーム業界も大きな一端を担っているのです。
「家庭用ゲームで良く聞く「アイピー」ってどういう意味?」
「って、そもそも「IP」って何なの?」