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【建設中】大連市の新たな玄関口「大連金州湾国際空港」がまもなく完成⁉

大連金州湾国際空港 LIFE
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大連市は遼寧省の南部に位置する港湾都市。
各国と繋がる海上の門口であり、東北エリアの貿易・物流の中心にもなっています。

日本人にとっては、司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」の舞台として有名かも。
大連・旅順ではテレビドラマのロケが行われました。

そんな大連にて新空港「大連金州湾国際空港」(Dalian Jinzhouwan International Airport)が着工中。
今年中に完成すると言われています。

本記事では「大連金州湾国際空港」のアレコレをメモっていきます。

現在の「大連周水子国際空港」は飽和状態

「大連周水子国際空港」(Dalian International Airport)は、1920年代から利用されている、大連市で唯一の飛行場。

日本の主要都市や韓国の仁川、台北などを片道1~3時間で結び、その立地条件を生かして、市全体の発展に貢献してきました。

しかし、特に近年は国際線・国内線ともに便数が増加している一方で、空港のキャパ・設備が限界に達しており、輸送能力も2016年頃に飽和状態となります。

2017年の実績を見ると、大連周水子国際空港の利用客数は1,750万人。
大連郊外・広域地区の経済も成長していく中、人的な流入出への処理が追い付いていません。

元々は軍用施設として使われていたため、滑走路やボーディング・ブリッジの数が不足していて、都市のサイズに見合わなくなっているのです。

大連周水子国際空港

また国際空港の中ではかなり小規模な部類に入ります。
国際線・国内線の入口やチェックインカウンターは分かれているものの、ターミナルは1つのみ。

旅行シーズンなどは人で溢れかえり、ややパニック状態になることもあります。

とは言え、荷物チェックや出国手続きを終えれば、搭乗口まで5分もかからず到達可能。
小さいが故の利点もあったりします。

上記の通り、周辺諸国からのアクセスの良さから、大連へやってくる外国人も多く、外資系企業がたくさん存在します。

国際都市として存在感が増していく中、交通施設の拡大を図らざるを得なくなってきました

大連周水子国際空港は既に3回の拡張工事を行っています。
しかし、敷地上の問題もアリ、これ以上の改善が見込めません。

航路の混雑を解消させ、より利用客を増やすために、「大連金州湾国際空港」の新設に踏み切ることにしたのです。

大連金州湾国際空港の規模は関空越え

「大連金州湾国際空港」は、金州湾の一部を埋め立てて人工島を作り、建設されます。
中国本土で最初の海上空港となるため、2012年のプロジェクト立ち上げ時には大きな話題となりました。

新設にあたっては、ロンドンの第3国際空港やニューヨークのラガーディア空港といった既存の海上空港の技術を参考にしています。

また、2019年9月に開港した「北京大兴国际机场」(北京大興国際空港、Beijing Daxing International Airport)のノウハウも取り入れられているとのこと。

観光客を中心とした訪中者の増加を見込み、効率優先を原則としているようです。

空港レベル的には、世界最大の民間航空機・エアバスA380がスムーズに離着陸できる「4F規格」に準拠。
完成すれば、関西国際空港を抜いて、世界最大の海上国際空港となる予定です。

No.1を目指し続ける中国の力強さを感じさせますね。

大連金州湾国際空港のイメージ左側が海上に浮かぶ新空港

具体的な数値で考察

総投資額は263億元(約4,000億円)と発表されています。
関西国際空港の総建設費は1兆5,000億円なので、1/3以下のコストで完成する計算ですね。

非常にリーズナブルな国際空港と言えるかもしれません。

建設期間は5年間で、2018年に第1期工事が終わる予定……でしたが、現在もまだ奮闘中です。
色々と遅延が出ている中、恐らく、2020年中には完了するだろうと……果たして、どうでしょうか。

その他の基本情報はコチラ。

面積:20.87平方キロメートル
長さ:6.54キロメートル
幅:3.5キロメートルで、
埋立地の全長:21キロメートル
海岸からの最短距離:4.5キロメートル

中国版Wikiの「百度百科」(Baidu Baike)より抜粋でございます。
(というか、本家のWikiも「百度百科」の和訳がそのまま掲載されていると思います)

地図上では、その形状が明らかになっています。

大連金州湾国際空港のロケーション

建設中の滑走路は2本で、長さは3.6キロメートル(幅は60メートルと70メートル)。
第1期完成後は年間3,100万人を見込んでいて、この段階で現状の2倍ですね。

また全てが完成すると、最大7,000万人まで対応可能となります。

関空は年間3,000万人なので、規模としては申し分なし。
世界的な空港へと躍り出ることになるでしょう。

とは言っても、大連金州湾国際空港はオープンの目途が立っておらず、理論上の数字に過ぎません。
まずは無事完成にこぎつけられることを願っているばかりです。

大連金州湾国際空港の完成イメージ

最後に…

今の大連周水子国際空港から市内の中心地までは、タクシーで20分程度とアクセスは抜群で、利便性に優れています。
(数年前に地下鉄も開通しました)

一方、大連金州湾国際空港は少し離れた場所に立地されます。
市内までは倍近く要することになるかもしれません。

しかし、工場などが建ち並ぶ開発区エリアへの行き来はしやすくなり、この辺りには歓迎されそう。

将来的に「周水子」と「金州湾」を併用して各エリアへのニーズごとに送客できれば、都市としての魅力が一段とアップするでしょう。

大連市がさらに発展することを期待しています。

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