昨年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場し、浦和レッズや鹿島アントラーズを苦しめた中国のクラブチーム。
えっと…北京何とかに上海ホニャララ、それと山東…うる覚えですわ。
大のサッカー好き、それもACL出場チームのファンでさえも、記憶の片隅に追いやられているでしょう。
そんな注目度が低い中国のサッカーですが、知らなすぎるのは少しもったいない。
だって、将来必ず、Jリーグにも影響を与えてくるのだから(根拠はない)。
そこで、今期のACLに出場するチームをメインに、中国スーパーリーグ(CSL)の目玉クラブをご紹介。
2019年の成績や主力選手以外にも、桁違いの資金を投じているメインスポンサー(親会社)についても触れますよ。
①広州恒大
ホーム:広州市
リーグ戦:1位
ACL:ベスト4
主な選手:パウリーニョ(ブラジル代表)、タリスカ(ブラジル代表)、エウケソン(中国代表)、偉世豪(中国代表)
推定総年俸:8,633万ユーロ(103億円)
リーグ戦は2011年から2017年まで7連覇。さらに2013年と2015年にはアジアNo.1クラブとなっている、中国屈指のクラブチーム。
親会社の「恒大グループ」は不動産、金融、ヘルス&トラベルなどを手がける巨大コングロマット集団で、世界500強企業の一つに選ばれたこともあります。
正式名は、
広州恒大淘宝=Guangzhou Evergrande Taobao Football Club
皆さんご存知、中国大手IT企業・BATH(Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)の一つ、アリババグループが事業運営しているオンラインショッピングモール「淘宝/タオバオ」が、チーム名にありますね。
はい、広州恒大のスポンサーは「アリババ」なんです。
2014年にアリババグループがクラブの株式を50%取得して、同年に今のクラブ名に変更されました。
このアリババと恒大グループ両社の強力なバックアップにより、安定したチーム強化に成功。
チームは国内タイトルをほぼ独占しています。
なお、ナショナルチームかクラブの意向かは定かではありませんが、所属のエウケソンは2019年に中国国籍を取得し、FIFAワールドカップ予選で奮闘中。加油!
②北京国安
ホーム:北京市
リーグ戦:2位
ACL:グループリーグ敗退
主な選手:セドリック・バカンブ(コンゴ代表)、ジョナタン・ビエラ(スペイン代表)、池忠国(中国代表)、王剛(中国代表)
推定総年俸:4,703万ユーロ(56億円)
リーグ発足に伴い、1992年にプロ化された名門クラブ。
前身の北京サッカークラブは1956年に設立されており、国内で最も古い歴史を持つチームと言われています。
近年は攻撃面の補強に力を入れていて、リーグ戦では上位を維持。
2年連続でACL出場の切符を手に入れました。
北京国安には不動産デベロッパーの「中赫グループ」が出資。
同社は2022年の冬季オリンピック北京大会にてプログラムの一つ「崇礼太子城小鎮」を手がけるとのこと。
サッカーだけでなく、グローバルなスポーツにも幅広く関わっています。
③上海上港
ホーム:上海市
リーグ戦:3位
ACL:ベスト8
主な選手:オスカル(ブラジル代表)、フッキ(ブラジル代表)、マルコ・アルナウトヴィッチ(オーストリア代表)、顔駿凌(中国代表)
推定総年俸:8,703万ユーロ(104億円)
2018年、広州恒大のリーグ8連覇を阻止し、優勝に輝いた上海上港。
中国の主要港口である上海だけあって、クラブのスポンサー「上海国際港務グループ(上港)」は、国内最大の貿易企業集団です。
この超リッチクラブは、選手へのマネー投入を惜しみません。
有名なレジェンドを次々と獲得し、推定総年俸はリーグで最も高くなりました。
これが功を奏してか、ACL出場の常連にチームに成長しています。
④江蘇蘇寧
ホーム:南京市
リーグ戦:4位
ACL:参加資格なし
主な選手:エデル(イタリア代表)、イヴァン・サンティニ(クロアチア代表)、呉曦(中国代表)
推定総年俸:3,125万ユーロ(37億円)
江蘇省南京市をホームタウンとする江蘇蘇寧のクラブ名は、親会社「蘇寧グループ」に由来。
主要事業は家電小売販売ですが、同時にオンライン上の店舗とも連携を深め、B2Cプラットフォームの先駆者的な役割を果たしています。
2009年に家電量販店のラオックスを買収したことで、少し知名度があるかも。
資金面では中堅どころといった感じで、今回リストアップした中では、総年俸は最も低いチームです。
そんなこともあってか、タイトルへ後もう一歩が届きません。
昨シーズンもトップ3の壁は厚く、2017年以来のACL出場はならず。
今年の活躍に期待しましょう。
⑤山東魯能
ホーム:済南市
リーグ戦:5位
ACL:ベスト16
主な選手:マルアン・フェライニ(ベルギー代表)、グラツィアーノ・ペッレ(イタリア代表)、鄭錚(中国代表)、蒿俊閔(中国代表)、劉洋(中国代表)
推定総年俸:3,298万ユーロ(39億円)
2019年のACLグループリーグでは、鹿島アントラーズを押さえ、首位で通過。
しかし、ノックアウトステージでは同国の広州恒大に競り負けてしまいました。
リーグ戦では常に上位に食い込む、少し地味で、でも実力は確かなクラブチームです。
スポンサーの「魯能グループ」は不動産及びエコエネルギー事業の活動を行っていて、大元の出資者は「国家電網=電力発電会社」。
調べても良く分からなかったのですが…環境にやさしいクラブ作りで、リーグの模範となってほしい、と勝手に思っています。
⑥大連一方
ホーム:大連市
リーグ戦:9位
ACL:参加資格なし
主な選手:ヤニック・カラスコ(ベルギー代表)、マレク・ハムシク(スロバキア代表)、ホセ・サロモン・ロンドン(ベネズエラ代表)
推定総年俸:6,815万ユーロ(81億円)
日本にも馴染み深い遼寧省大連市のサッカークラブ。
特記すべきは、その資金力でしょう。
「大連一方グループ」は都市開発を行っている巨大な企業で、そのマネーをとことんクラブに投じています。
国内外のクラブから代表クラスの選手や監督を獲得し、総年俸はリーグで3番目に多くなりました。
その割には成績が伴わず、2部リーグから昇格した2018年は11位、2019年は9位と、苦戦を強いられています。
それでも強大な補強方針は変わっていません。
2020年シーズンはどんな「大物」が加入するのか、今から楽しみです。
なお、今年からチーム名が「大連人クラブ(大连人俱乐部)」に変更される予定だとか…。
⑦上海申花
ホーム:上海市
リーグ戦:13位
ACL:参加資格なし
主な選手:ステファン・エル・シャーラウィ(イタリア代表)、オディオン・イガロ(ナイジェリア代表)、朱辰杰(中国代表)
推定総年俸:4,308万ユーロ
2019年の中国FAカップを制し、みごとACL出場権を獲得。
2年前のACLでは、グループステージで5分1敗と散々な目に遭いましたが、今年は、まずは1勝を目指してほしいです。
一方、リーグ戦は…毎年残留争いの瀬戸際に追い込まれる不甲斐なさで…トーナメントのような一発勝負が得意なのかもしれません。
大口スポンサーの「緑地グループ」は他のクラブ同様、不動産・開発を軸に行うコングロマット。
だだっ広い国土では不動産系の企業は強いですね。
今年加入したシャーラウィは、まさに当たりの買い物で、投資が結果に結びついた良い例と言えるでしょう。
今年の中国スーパーリーグは2月22日に開幕予定で、各チームの強化・準備期間はあと1ヶ月。
さらにFIFAワールドカップ・アジア予選2次ラウンドも控えており、サッカー熱は一気に加速するでしょう。
ビッグイベント盛りだくさんの上半期は目が放せませんね。
なお、有名選手の年俸に関しては、コチラの記事をどうぞ。