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【最前線】ラッキンコーヒーが失速!中国のコーヒー業界にテンセントも参入!

コーヒーのテイクアウト CHINA NEWS
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ここ数年、一心不乱に店舗をオープンし続けていた「瑞幸咖啡」(ラッキンコーヒー、Luckin Coffee)は、不正会計が明るみになり、事業を縮小し始めました。

5月15日の報道によると、「ラッキンコーヒー」は年内に北京の80店舗を閉店するといいます。

一方、中国国内のコーヒー市場に巨大IT企業の「腾讯」(テンセント、Tencent)が参入。
カナダのドーナツチェーン店である「Tim Hortons」(ティムホートンズ)が、テンセントから独占戦略の投資を受けるとの発表を行いました。

「ティムホートンズ」は中国に進出してから1年の間に、上海や大連などの都市で約50店舗を開店しました。
CEOの卢永臣氏は、年内に1,500店まで拡大させると述べています。

「Starbuck」(スターバックス)、「Costa Coffee」(コスタコーヒー)などのブランドが軒並み中国での業績を落としている中、テンセントが国内市場に新たな変化をもたらすかもしれません。

ティムホートンズの外観

ラッキンコーヒーが北京の店舗を閉店

「ここ1ヶ月は営業をしていません。昨日、設備と機材を全部運ぶ出しました」

北京市大兴区の「鸿坤广场B座」店のオーナーが溜息をつきます。
ストリート沿いに構えていた店舗からは「ラッキンコーヒー」のロゴと看板は既に取り外されました。

今はガランとしたカウンターだけが、敷地内に虚しく残っています。

この店舗のように70㎡以下のスペースには、通常はテーブルと椅子は3脚のみ。
ところが、月に4万元(60万円)の家賃が発生します。

北京の同地区では決して安くありません。

「鸿坤广场B座」店は約2年営業をしていましたが、収益状況も限界でした。
4月に発覚した「ラッキンコーヒー」の粉飾決算・不正会計事件も重なり、3年間のライセンス契約は破棄されそうです。

ラッキンコーヒーのカウンター

前述のオーナーの話では、北京にある400店舗のうち、1/5にあたる80店舗を閉店する予定とのこと。

新型コロナウイルスが落ち着いた後、「ラッキンコーヒー」は店舗環境の最適化を図っていました。
現在は全体の90%が営業を再開しています。

しかし、個々の利益が芳しくない店、周辺に複数店あるエリアなどでテコ入れが必要になっているようです。

ニューヨークに本社を置く「Thinknum Alternative Data」が公表したデータには、今年の第2四半期(5月12日)の時点で、1日平均10店舗が開店しており、国内で6,912店に達したと示されています。

第1四半期(平均20店)より半減していることが分かったのです。
内部調査によって明るみに出た粉飾スキャンダルが、成長スピードにも影響しました。

「Thinknum Alternative Data」の共同創業者のジャスティン・ジェーン氏は、

毎日10店をオープンするスピードは、どの飲食店・チェーン店よりも格段に速い

と話しています。

ラッキンコーヒーの出店数の推移
ラッキンコーヒーの出店数の推移

カナダの「国民的コーヒー」にテンセントが投資

具体的な金額は明かされていませんが、テンセントがカナダの「ティムホートンズ」への投資を決めました。
これを受けて、今後は中国国内での展開を急ピッチに進められることが予想されます。

「ティムホートンズ」は飲食店ブランド「Restaurant Brands International」(RBI)に属しています。
RBIの傘下には「バーガーキング」や「POPEYES」といったファーストフードチェーンもあり、「ティムホートンズ」は2019年2月に上海で第1店目をオープンしました。

「微博新聞」によると、テンセントからの投資の下、デジタルインフラの建設を加速・強化して、消費者のニーズを満たすために、より多くの店舗を出店する計画だと伝えられています。

カナダ人なら誰でも知っている「ティムホートンズ」はファーストフード業界でNo.1のチェーンレストラン。
カナダ国内に4,000店舗、全世界で計5,000店を展開しており、毎日500万杯以上のコーヒーを提供しています。

80%のカナダ人が毎月1回は利用しています。
自国の文化を輸出する名刺代わりになっていると言えるでしょう。

スターバックスより低価格のティムホートンズ

2012年には50店舗しかなかった「バーガーキング」は、今では1,000店舗以上が中国国内にあります。
「ティムホートンズ」の10年で1,500店舗計画も、不可能ではありません。

CEOの卢氏はかつて「バーガーキング」でCFOを務めていました。
その後、合併会社を設立する形でカナダの「ティムホートンズ」を中国に進出させたのです。

卢氏の計画では、まずは上海などのコーヒー市場が成熟した第一線の都市から、オフィスビルやビジネス圏のコーヒー消費者が密集しているエリアを狙うとのこと。

今まではショッピングモールやレジャーエリアといった娯楽施設に店舗を構えていましたが、これからは中高年のビジネス層へターゲットを広げたい構えです。

「ラッキンコーヒー」の戦略と重なり、ライバルとなりえるでしょう。

ティムホートンズの店舗

気になる価格帯も「ラッキンコーヒー」と同じ。
各種コーヒーは1杯17~25元(225~375円)の間に収まっていて、「スターバックス」よりも安めに設定されています。

一方で軽食系は黒椒牛肉ロールやシーザーチキンロールなどカナダでも愛される商品を提供。
20~40元(300~600円)の価格帯は「スターバックス」を意識しています。

中国の文化に適したビジネスを行うため、出前サービスも開始しました。
「ティムホートンズ」に今後の動向に注目です。

※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。

■参考サイト(中国語)
咖啡业大变局:瑞幸撤退,将关闭北京80家店,腾讯入股加拿大品牌,要在中国开1500家店

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