2020年3月26日、中国国内のゲーム会社「中手游」(CMGE)が2019年の事業報告を行いました。
CMGEは、
China Mobile Games and Entertainment
(チャイナ・モバイル・ゲームス・アンド・エンターテイメント)
の略。
CMGEはIP(知的財産)を活用したゲームを開発・運営する国内の大手パブリッシャーで、2012年にはナスダックに上場しています。
報告によると、昨年の営業収益は30.36億元(485億円)で前年比90.2%増、純収益は6.11億元(97億円)と同比82.1%とのことです。
その内訳は新たに取得したIPの作品が15.61億元に、開発元が所有しているIPゲームが5,422万元。
IP関連は計16.15億元(全体の53.2%)となり、CMGEにとって主力事業であることが分かります。
2019年には33作品をリリース
ゲーム産業・市場はIPを中心に動いており、多種の権利を所持しているゲームメーカーほど、幅広い戦略と十分な躍進の機会が備わっています。
中国のメディア「Analysys易观」の発表によれば、2019年末時点で、「腾讯游戏」(テンセントゲームズ、Tencent Games)に次いで最も多くのIP権利を所有し、且つIPモバイルゲームのパブリッシングを行っている中国企業がCMGEだということです。
過去4年間でCMGEが世に送りだしたゲームは107作品。
うち33作品は昨年リリースされています。
主なタイトルは以下の通り。
・龙珠觉醒 = ドラゴンボール
・家庭教师 = 家庭教師ヒットマンREBORN!
・消零世界 = Project VGAME
・冒险之门
・战观养成计划
ドラゴンボールはリリース初日にApp Storeの無料ゲームランキングで1位に躍り出ると、その週の「おすすめゲーム」に選出されました。
最終的には中国ゲーム産業年会にて「2019年に歓迎された10大モバイルゲーム」にも選ばれています。
また「航海王强者之路」(ワンピース、ONE PEACE)や「火影忍者-忍者大师」(ナルト、NARUTO)といった既存のゲームも好調で、2019年も安定した成績を収めました。
3月27日に行われた「CMGEオンライン発表会」にて、CEOの肖健氏は、
「グローバルで31のIPを許諾し、68の資産を保有している」
と述べ、優位性をアピールしています。
2020年は9つの自社開発ゲームを投入
他社との協力の下、多方面で精力的な活動を行っているCMGEのIP事業は更に躍進していくでしょう。
IPと開発者への投資に関して、CMGEは深圳市の投資ファンドと3億円の出資パートナーシップを結びました。
これにより中国国内にてモバイルゲーム事業が長期的な資金を得られるだけでなく、業界の企業と連携を深めることで、グループ全体のIPコンテンツ開発を充実させることができます。
と同時に、新たなビジネス開発への着手も可能となりました。
さらにユーザー獲得強化のために、CMGEは「腾讯」(テンセント、Tencent)と「字节跳动」(バイトダンス、ByteDance)の両プラットフォームと独占代理契約を締結しています。
2020年に入っても、CMGEのIRゲーム戦略に変わりはありません。
リリース予定の38タイトル中、9タイトルは自社開発です。
その1つ「仙剑奇侠传7」は中国で歴史あるIP作品であり、かつ25周年を迎える今年は大規模な記念イベントを実施予定。
CMGEにとっては、またとないチャンスと言えるでしょう。
前出のCEO肖氏は、
「将来的に当社のIPゲームの割合は更に増すだろう」
と語っています。
世界展開するCMGEのIP戦略に、今後も目が離せません。
※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。
■参考サイト(中国語)
「中手游」2019年财报解析:营收超30亿,IP类游戏收入占比超5成