まずは、別に悪い意味で使いたいわけではありませんので、ご留意を。
外資系企業・海外の会社が中国進出するためには、様々な壁を乗り越える必要があります。
またご存じの通り、インターネットの接続制限も存在します。
この目的は……色々とあるでしょうが、おそらく、
・国内の企業を衰退させない
のが大きな理由だと想像しています。
よって、世界中で利用されているサービスと同じシステムのものが、中国企業によって、国内で開発・提供されています。
本記事では中国で独自に発展しているサービスをメモっていきます。
中国版〇〇を紹介
中国版LINE:微信(ウィーチャット)
巨大テクノロジー企業「腾讯」(テンセント、Tencent)が提供するメッセンジャーアプリ「微信」(ウィーチャット、WeChat)。
通常のテキストメッセージに加え、お金の送金やキャッシュレス決済にも対応しています。
生活に無くてはならないサービスですね。
中国版ツイッター:微博(ウェイボー)
中国国内からは「Twitter」(ツイッター)にアクセスできません。
情報統制の妨げになるからでしょう。
これに代わるSNSとして使用されているのが「微博」(ウェイボー、Weibo)。
英語名は「MicroBlog」(マイクロブログ)で、ツイッターと同じ機能を果たしています。
文字数制限もあって、なんと140文字。
偶然でしょうか……。
なお日本の有名人も「ウェイボー」のアカウントを持っていて、フォロワー数もたくさんいますよ。
中国版グーグル:百度(バイドゥ)
「Google」(グーグル)も利用ができません。
グーグルの検索エンジンを導入している「Yahoo」(ヤフー)も、トップ画面のみ閲覧が可能で、検索は不可。
よって、中国では「百度」(バイドゥ、Baidu)が圧倒的なシェアを握っています。
ただし、中国語以外を用いた検索には弱く、使い勝手は良くありません。
また探したい情報が画面トップに表示されないのも、マイナス点(広告が多すぎる)。
グーグルにはだいぶ劣るかなというのが、感想です。
・百度
中国版アマゾン:淘宝(タオバオ)
「Amazon」(アマゾン)は2019年に中国市場から撤退しました。
馬雲(ジャック・マー)率いる「阿里巴巴」(アリババ、Alibaba)グループのオンラインショッピングモール「淘宝」(タオバオ、Taobao)には勝てず、といったところでしょうか。
というか、「アリババ」は強すぎますね。
国内の物流網を整備し、「支払宝」(アリペイ、Alipay)を通じた完全キャッシュレス決済を実現した「タオバオ」は、国民から信頼される巨大プラットフォームへとなっています。
なお、「タオバオ」の最大のライバル「京东」(ジンドン、JD)もアマゾン並みの品質・サービスと配送スピードを備えています。
中国版Netflix:爱奇艺(アイチーイー)
競合がひしめき合う中国の動画サイト・アプリ市場で、堂々のシェアトップを獲得しているのが「爱奇艺」(アイチーイー、iQIYI)。
月間のアクティブユーザー数は6億人と、中国の国民の約半分が利用しています。
中国版ニコニコ動画:哔哩哔哩(ビリビリ)
一方、「哔哩哔哩」(ビリビリ、bilibili)は若者に圧倒的な支持を得ています。
中国のサブカルチャー発信地としてのポジションを確保しました。
名前&ビジネスモデル、文化的、機能的な面も含め、ニコニコ動画と良く比較されますね。
中国版YouTube:优酷(ヨーク)
「优酷」(ヨーク、Youku)も「アリババ」傘下に入っていて、超有名な動画サイトの1つとして知られています。
自分の動画をアップできるという点で、「YouTube」(ユーチューブ)に似ていますね。
中国版Uber:滴滴(ディディ)
正式名称は「滴滴出行」ですが、略して「滴滴」(ディディ、Didi)と呼ばれています。
人・モノの輸送手段を提供するプラットフォームで、
・シェアライディング
・シェア自転車
・荷物の集荷
などのサービスを利用できます。
また2014年から中国に進出していた「Uber」(ウーバー)は、2016年に「ディディ」によって国内配車サービス事業が買収されています。
「ウーバー」も中国市場から締め出された感じでしょうか。
よって、「ディディ」が国内で最大シェアを維持している状態です。
中国版スターバックス:ラッキンコーヒー
ナスダックにも上場を果たしたコーヒーチェーンの「瑞幸咖啡」(ラッキンコーヒー、Luckin Coffee)。
ターゲットをオフィスワーカー&テイクアウトに絞った戦略+クーポン配布による集客プロモーションで、全国に広がりました。
そのため「Starbucks」(スターバックス)とも良く比べられたりします。
最近は粉飾決算が発覚したようで……色々と慌ただしい「ラッキンコーヒー」ですが、コーヒーの品質は確かですよ。
中国版Facebook:人人网(レンレン)
世界最大のSNS「Facebook」(フェイスブック)。
こちらも現在のところ、アクセスができません。
中国にも実名制SNS「人人网」(レンレンワン、Renren)があります。
が、現代の若者はあまり使用していない様子。
すでに「ウィーチャット」や「ウェイボー」に市場を奪われ、存在感は薄れています。
中国版Zoom:腾讯会议(テンセントミーティング)
新型コロナウイルスをきっかけに、働き方が激変。
リモートワークが導入されると同時にオンライン会議ツールが急速に普及しました。
世界中で一番使われているのは「Zoom」で、1日の利用者数は3億人とも言われています。
これに倣うように、IT大手企業の「腾讯」(テンセント、Tencent)が開発・市場に投入したのが「腾讯会议」(テンセントミーティング、Tencent Meeting)。
最近は、中国国内で個人間での「Zoom」がサービス停止に……なんていうニュースを目にしましたが、「テンセントミーティング」の登場と何か関係があるのでしょうか……?
中国版JTB/HIS:携程(Ctrip)
航空券、高速鉄道のチケット、ホテルの予約をするなら「携程」(シートリップ、Ctrip)ですね。
どのスマートフォンにも必ず入っているアプリで、旅行の計画を立てる際に多用します。
他の予約アプリもあるのですが、「シートリップ」の良いところはアフターサービスの良さ。
万が一、フライトがキャンセルされたり、ホテルでトラブルが発生したりしても、いつでも24時間、迅速に対応してくれます。
あと、もう一つご紹介したいのが「马蜂窝」(マフォンウォ、Mafengwo)。
こちらも各種予約が可能ですが、最大の特徴は旅日記=ブログ的な機能が充実しているところ。
ユーザー自身が体験談などを発信できるのが強みですね。
旅先を決めたら、「マフォンウォ」で情報収集を行っています。
中国版インスタグラム:美拍(メイパイ)
女性が自撮り好きなのは世界共通でしょうか。
撮影した写真や動画を自由に編集してシェアできるのが「美拍」(メイパイ、Meipai)。
その名の通り、「美しく撮影する」ためのアプリです。
(「拍」は中国語で「撮る」の意味)
美白、しわ補正、あごの形、花の高さ……。
修正できる箇所は全て。
よりキレイに見せるための機能が満載です。
こんな感じなので、どちらかというと「Photoshop」(フォトショップ)に近め。
ぜひ、実物と写真のギャップをお楽しみくださいませ(失礼‼)。
メイパイのイメージ(拾い物)
ただし、今では「小紅書」(RED)が中国版インスタとも言われています。
中国版メルカリ:闲鱼(シェンユー)
古くなったモノ、いらなくなったモノは売り払いたい。
そんなニーズを満たしてくれるのがフリーマーケットアプリの「闲鱼」(シェンユー)です。
スマートフォンから誰でも簡単に売り買いができて、経済的も優しいサービスを提供しています。
主な出品アイテムはリサイクル用。
クオリティに心配がありますよね。
でも、ご安心を。
運営しているのは「タオバオ」なのです。
上記の通り、信頼性は保証済み。
安心してお買い物を楽しめるでしょう。
探してみれば、まだまだ「中国版○○」は見つけられそうです。
そして、今後も増えていくことでしょう。
再び強調したい点は、決して二番煎じではないこと。
国内で独自のサービスが生み出され、国民の需要にきちんと応えられています。
また本家(⁉)以上の価値を備えていて、生活の利便性を格段に高めえくれました。
テクノロジー方面では中国の方が、日本より遥か先に行っていると感じます。