前回の投稿では、昨年の10大ニュース【国内編】をお伝えしました。
続きまして、世界で起こった様々な出来事に対して、中国はどう見たか。
ピックアップされたニュースを紹介します。
2019年の10大ニュース【国際編】
①習近平国家主席・7回の外遊と4つのホスト活動を主宰
トップで伝えられたのは、習近平国家主席の外交活動です。
アジアを皮切りに、ヨーロッパや南アメリカの12カ国を訪問し、上海協力機構サミット、アジア相互協力信頼醸成会議(CICA)、G20首脳会合、BRICS首脳会議などに出席しました。
またホスト国として、第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラム、北京世界園芸博覧会、アジア文明対話大会、中国国際輸入博覧会を成功させています。
これらの二国間あるいは多国間の外交の場で、中国が積極的に人類運命共同体の構築を行うことを提唱。
各方面の共通利益に合致する案を打ち出すと共に、責任大国の存在感を示しました。
②世界経済が鈍化する中、着実な中国の成長率がトップ
10月15日に国際通貨基金(IMF)が発表した最新の世界経済見通しの報告にて、世界経済の同時減速により、2019年の成長率は金融危機(2008年)以降で最も低い3%に引き下げられました。
そんな中、中国経済は引き続き安定していて、世界の主要経済体で一番高い成長率を保っています。
対外開放の拡大と多国間の貿易体制を維持、「一帯一路」の共同建設を推進することで、世界経済の重要なエンジンとなるのではないでしょうか。
③アメリカとロシアの中距離核戦力全廃条約が消滅
アメリカ国務省は2月、1987年に締結された「中射程、及び短射程ミサイルを廃棄するアメリカ合衆国とソビエト社会主義共和国連邦の間の条約(中距離核戦力全廃条約)」の履行を一時停止すると発表。
ロシア側もすぐさま履行停止を宣言し、8月2日に同条約が失効しました。
この条約には、両国は500~5,500kmまでが射程範囲の地上発射型ミサイルと巡航ミサイル及び発射装置を保有・生産・テストできないとされています。
これに対して中国は、
「中距離核戦力全廃条約の失効は軍事統制条約が正式に破棄されたことを意味し、冷戦後期から形成された国際軍事慣性システムへの挑戦である」
と反応しました。
④ブレグジットは紆余曲折、EU一体化に大きな打撃
EU脱退が予定されていた3月29日に離脱協定案が否決され、6月にメイ首相が辞任に追い込まれます。
離脱強硬派のジョンソン首相が後を引き継ぐと、「脱欧」を2020年1月31にまで延期することを承認。
12月の総選挙で圧勝したジョンソン首相は、同月20日に関連法案を可決させて、期限通りに「脱欧」することを確認しました。
本番組では、
「長きに渡る「脱欧」のプロセスによりイギリス経済が落ち込み、ヨーロッパ一体化にも衝撃を与えた」
と伝えています。
⑤シリア政府軍が国土の85%を支配、新たに中東党制領域を塗り替える
10月22日にロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談。
シリア情勢の覚書をまとめ上げ、双方はシリアとトルコの国境30km内に「安全地域」を設けることで合意しました。
さらにシリア政府軍は北部の複数の地区に進駐して、国土の85%を支配します。
10月30日、ジュネーブにて政府軍と反対派で構成されたシリア憲法委員会が開かれ、憲法改革を通じて、政治和解を推進することを目指しました。
シリア情勢の変化はアメリカ、トルコ、イランなど多方面に影響を与え、特にロシアは主導的地位を強固なものになりました。
その一方、アメリカはイラクに対して「限界圧力」を強めたことで、核問題は難航しています。
⑥人類初のブラックホール撮影に成功、アインシュタインの予言を検証
4月10日、中国を含む世界の天文学者が同時に撮影したブラックホールの写真を公開。
国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」には200名余りの研究員が参加しており、十数年の歳月を経て、4大陸8ヶ所の観測地点からブラックホールの「捕獲」に成功しました。
ブラックホールは地球から5,500万光年に位置し、質量は太陽の約65億倍です。
この結果、アインシュタインが相対性理論によって予言した体積より小さく、また質量が極めて大きい天体であることが分かりました。
技術進歩と全世界の科学者の共同努力は、人類に新たな可能性を照らしてくれました。
⑦エチオピア航空便墜落、ボーイング737MAXが全世界で欠航
3月10日、アディスアベバ発ナイロビ行の旅客機(ボーイング737MAX)が離陸後に墜落、157人が命を落としました。
同機種は2018年10月にも、墜落事故を起こしています(ライオン・エア航空便墜落事故、189人が死亡)。
2度の事故を引き起こしたことで、ボーイング737MAXを運行している全ての便が欠航となりました。
これを受けて多くの国々は、長期にわたり利益を優先し、運航承認業務を航空機製造元や第三者に「アウトソーシング」してきたアメリカ連邦航空当局を痛烈に批判。
後手に回った連邦航空局は、ボーイング737MAXの運航承認を取り消しました。
またボーイング社は同機の生産を2020年1月に終了すると発表、19年末にCEOは解任されました。
⑧CO2削減に向け、マドリードで共通認識の基礎を固める
世界気象機関は12月に示した最新データによると、地球全体で温室効果ガスの排出量が増加。
竜巻、干ばつ、洪水、森林火災などの自然災害を引き起こす要因になっています。
北極地方の永久凍土の溶解が予測より70年早まり、南極での溶解速度は10年前の3倍とのことです。
同月2日から13日にてマドリードで開催された「国連気候変動枠組み条約第25回締結国会議(COP25)」では、30項目以上の決議が行われた一方、落とし所が見えず、合意に至らなかった「パリ協定」は次回に持ち越しとなりました。
それでも、各方面で共通認識を確認できたことは、次のステップへの成果だと結論付けています。
⑨アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定が発効
アフリカ連合の臨時首脳会議が7月7日、ニジェールの首都ニアメで開催され、AfCFTAが成立しました。
2020年7月から正式に運用されます。
これにより、アフリカ共同体へのプロセスは大きく進展し、潜在能力の発揮に繋がると期待が高まっています。
全域に広がる13億人とGDP2.5億ドルのマーケットがアフリカ経済を更に刺激させ、工業化と自主的で持続可能な発展を早期に実現することでしょう。
⑩ノートルダム大聖堂の火災で、如何に世界文化遺産を守るかを再認識
4月15日、パリのノートルダム大聖堂で火災が発生、尖塔や屋根の部分が損壊しました。
その後、どのように世界文化遺産を保存・修復・修繕させるのか、国際社会の関心を惹きました。
7月にアゼルバイジャンで行われた第43回世界遺産委員会バクー会議では、ユネスコのアズレ事務局長は、
「ブラジル博物館やノートルダム大聖堂の火災は各地域間で協力と対話を強化して、全人類の共同遺産を保護すべきだ」
と力強く訴えています。
また中国は11月、ノートルダム大聖堂の再建に向け専門チームが協力することをフランスとの間で合意した、とメディアを通じて発表しました。
ふぅ・・・とても疲れました。
この記事(【国内編】と【国際編】)は、CCTVの番組及び下記のサイトを翻訳をして作成しています。
■捜狐(中国語サイト)
2019年国内十大新聞、国際十大新聞発布
世界情勢に疎く、記憶からも遠かったため、まとめるのに超時間がかかってしまいました。
「聞いたことあるけど、実際の所どうだったの?」
理解できるまで、色々な報道内容を見直すことに…。
結果、昨年を振り返る勉強になりました。
翻訳が不十分で、事実と多少異なる箇所があるかもですが、そこはもう勘弁してください。
中国のメディアが何に注目していたか、だけでも伝えることができたら、オーケーなので。
2020年はもっと世界に目を向け、興味を持ち、自分の意見を発信できるようにしたいです。