国家新聞出版広電総局は3月6日、計50のゲームタイトルに国内でのリリース・サービスに必要な許可証「版号」を発行したと発表。
この中に「ByteDance」(バイトダンス、中国語:字节跳动)の傘下に属する「北京巨量引擎网络技术有限公司」が開発した「战斗少女跑酷」が含まれていることが分かりました。
事実上、バイトダンスが版号を取得した初のタイトルとなります。
版号とは…
中国政府が承認するゲームパブリッシング運営における許可番号のこと。
厳しい審査の後、ゲームタイトルごとに振り分けられるのです。
「版号」が無ければ該当タイトルを中国国内でリリースすることができないんですよ。
2020年に入り、今日まで計256タイトルに版号が付与されています。
大手ゲームメーカー別は以下の通り。
・テンセント(Tencent、中国語:腾讯)
「天涯明月刀」「光与夜之恋」「螺旋风暴」「秦时明月世界」
・ネットイース(NetEase、中国語:网易)
「猎手之王」「天谕」「梦幻西游网页版」,
・37 インタラクティブ・エンターテイメント(37 Interactive Entertainment、中国語:三七互娱)
「这是什么垃圾」「无尽梦境」
・アリババゲームス(Alibaba Games、中国語:阿里互娱/阿里游戏)
「三国志幻想大陆」
・ビリビリ(bilibili、中国語:哔哩哔哩)
「梦想养成计划」
バイトダンスが「战斗少女跑酷」の版号申請に挑んだわけだが、これ単なる「始まり」に過ぎません。
自社のゲーム開発に拍車がかかれば、傘下タイトルの版号審査にもかなりの衝撃を与えるでしょう。
国内に「抖音」(中国版のTikTok)と「今日头条」の巨大なプラットフォームを抱えるバイトダンスは、手始めにライトユーザーの集客を目指すことになります。
カジュアルゲームについては集中的な顧客獲得+内部購入広告によるメカニズムが確立しておりますが、「音跃球球」「消灭病毒」「我功夫特牛」など多くのヒットタイトルでその効果が立証されました。
最近になって同様の手法を国外でも試し始め、大きな成果に結びついています。
「我功夫特牛」は日本の無料ランキングで1位を獲得。
韓国では11位まで上昇し、アメリカとイギリスでもランキング圏内が見えました。
TikTokの相乗効果があるものの、カジュアルゲームの海外戦略でも確かな手ごたえを得ていると言えるでしょう。
ジャンルの移り変わりは非常に早く、国内では1ヶ月に2~3つのタイトルが引っ切り無しにリリースされます。
おのずとユーザー数は増加していき、認知の形成と膨大なデータの蓄積の速度も上がります。
最も注目される点は、バイトダンスがどこまで本気かというところ。
自分のユーザーを奪われかねないライバル社は警戒を強めますが、たった1つのタイトルのみでバイトダンスのパワーは判断できません。
未知な部分が多いのも事実です。
ただし、関係者筋によると、「战斗少女跑酷」はバイトダンス社の内部で開発された可能性が高いと言います。
バイトダンスのゲーム事業は2つの部所があり、カジュアルゲーム業務はビジネス部門に属します。
独占代理、自社開発、ミニゲームをまとめる戦略部門のトップは厳授氏ですが、彼は投資部門の責任者も兼任していました。
ところが、メディア「竞核」によると、2020年2月に厳氏は正式に同職を解かれ、ゲーム事業に注力しているとのこと。
これからは自社開発と独占代理を全面リードするようになります。
2019年3月、バイトダンスは「上海墨鹍」の株式を100%取得し、大型ゲームの開発にも乗り出しました。
同年6月には100人態勢のチームを立ち上げ、自社ゲーム開発のための「オアシス計画」をスタートさせています。
今年1月には1,000を超えるチームが誕生。
春には国内及び海外ユーザー向けに2タイトルをリリースする予定です。
ゲーム業界に「攪乱者」として名乗りを上げたバイトダンス。
市場では既に火花が飛び交っています。
※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。
■参考サイト(中国語)
字节跳动首次获批游戏版号,头腾下一战是自研游戏