新型コロナウイルス拡大が予断を許さない状況の中、オンライン教育の業界に注目が集まっています。
代表的なところでは、「作业帮」「小猿搜题」「学霸君」の学習アシスタントアプリが既に人気を得ており、インターネット上で瞬く間に広がりました。
そこに登場したのがアリババグループ。
まもなく小中学生向けの学習アプリ「帮帮答」を投入するとの噂が流れました。
「帮帮答」は小中学生が授業・自習・宿題で抱いた質問を投稿し、それに対して回答を行うプラットフォーム。
日本で言う「Yahoo!知恵袋」と同じ仕組みでしょうか。
アリババが教育分野に参画する初めての製品です。
特徴的なのはオンライン決済によって有料で提供され、カリキュラムをサポートしている点です。
そして写真、音声、ビデオ形式にも対応しているため、分からない問題への迅速な解決が期待できます。
学習に躓いても、アプリを通じて有識者からオンライン指導を受けられる環境になりました。
「帮帮答」の登録方法は電話番号、Alipay(アリペイ、支付宝)、WeChat(ウィーチャット、微信)の3つのみ。
学生に一番重宝されているチャットソフト・QQ(キューキュー)が使用できないのは意外でした。
登録が完了すると「質問者」と「回答者」の選択画面が表示されるので、どちらかを選び、身分証明のため基本情報をアプリに入力していきます。
現在のところ、「質問者」は小学生から高校生までとされていました。
一方、「回答者」の条件は学士以上を保持しているものに限られています。
簡単な流れを見ていきましょう。
「質問者」は写真もしくはテキスト形式で問題の箇所を記載します。
そして課題対象の学年と謝礼金を入力して、投稿は完了となります。
投稿後、内容が適しているか審査が行われます。
問題なく審査が通過されると、10分以内に無償で回答が届く仕組みとなっています。
「回答者」側はどうでしょう。
まずアプリ内の質問リストを開き、自分が回答できそうな項目を選択します。
注目すべきは、回答前に知識・学問に関する一定の審査が入るということ。
ここをクリアすると、テキストやビデオ形式での回答に進めるというシステムです。
「質問者」は各回答の照合を行い、合格と判断した場合に「回答者」に一定のコミッションと評価が与えられます。
また模範的な回答を提示した「回答者」には信用度が積み上げられていき、アプリ内のステータスが保証・確立されます。
逆に信用度がゼロになると、アカウントは凍結されて復帰することはできません。
アリペイや芝麻信用でお家芸の「信用度」がここでも登場。
蓄積されたノウハウがフル活用されることでしょう。
「帮帮答」はまだテスト段階であるため、全体的なデザインや機能は非常にシンプル。
先行でリリースしているアプリと比較すれば、まだ改善の余地は残っており、保護者の監視コントロールやコミュニティ機能にて改良が進められていくことでしょう。
メディアの報道によると、2020年における中国国内のオンライン教育規模は3億500万人で、「インターネット+教育」の新しいビジネスモデルが普及していくのは確実となっています。
水面下では様々な教育プラットフォームが準備を進めていて、市場の基盤は構築されました。
次世代のオンラインユーザーは益々拡大していくでしょう。
アリババの第一線から身を引いた馬雲(ジャック・マー)は元教師。
教育の重要性を誰よりも説いていました。
学校不要のオンライン教育システムがすぐそこに迫っていますね。
※本記事は下記サイトを元に構成・翻訳しています。
■参考サイト(中国語)
阿里进军在线教育,推出「帮帮答」App