2月18日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第2節が各地で行われ、北京国安(中国)はタイのチェンライ・ユナイテッドと対戦。
中国勢にとって初陣となったアウェーでの試合は、前半23分の王子銘(Wang ZiMing)のゴールを守りきった北京国安が1-0で勝利しました。
武漢ガンバレ!のメッセージ
北京国安の試合で注目を集めたのが、選手が身に着けたユニフォーム。
通常はスポンサー名が入っている胸の部分に「武汉加油」の文字がプリントされていました。
中国からの代表クラブとして気合が入っていた北京国安。
サッカーファン及び国の期待を背負った選手たちはピッチで奮闘する姿を見せました。
敵地に駆けつけたサポーターも「武汉加油」の横断幕を掲げ、一体感を演出します。
格下相手に優位な試合運びで勝ち点3を手に入れ、国民に笑顔と勇気を与えました。
湖南省武漢市を発端に全国に拡散した新型肺炎はACL日程にも影響を与えました。
一部の試合スケジュールが調整され、広州恒大、上海申花、上海上港は4月に初戦を迎えます。
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アウェーユニフォームの裏話
このユニフォームを試合で着用するにあたっては、事前にアジアサッカー連盟(AFC)からの了承が必要で、クラブはまずAFCに相談。
提案を受けたAFCは状況に理解を示し、快く承諾します。
次にチェンライ市内の加工業者を探し始めますが、簡単には事が運びません。
技術や設備を理由に、3件連続で断られてしまいます。
それでも多方面のコネクションを頼り、ようやく試合の2日前に対応可能な業者を捜し当てました。
ユニフォームの製作を受け入れたのはチェンライに住む華僑の周国泉氏。
雲南省の父親が若い頃に移住したタイで、周氏は生まれ育ちました。
友人から依頼を受けた周氏は、試合前日の朝9時から工場を稼動させ始めます。
12時間に渡り機械をフル回転させて、夜の10時前にユニフォームの加工が終わりました。
試合当日、迅速な対応に満足したクラブ側が加工費の支払いを進めようとします。
しかし周氏は、
と返答し、固辞したそうです。
試合後、心温まるエピソードとしてSNS上で広まっていきました。